ハートフルボッコだドン！() ページ22
泥を這いつくばって行きてきた人生。
処世術は、そう簡単に方向転換できやしない。
だから、でもね、ごめんなさい。
そんな言葉で、私は自分をはぐらかした。
あのあと、一足遅れて左門と三之助を連れた三年のみんながやって来て、矢継ぎ早に言葉が飛び交った。作兵衛が仲裁してくれたけど、数馬に至っては泣きそうだった。お前達良いやつだな。
あと一年は組とかろ組とかい組とかがお見舞いに来てくれたりした。
なんでも私は崖から落ちたことになってたらしいが、なぜか熊に襲われたことも追加されていた。
解せぬ。
けど、上級生の先輩、当事者たちとはまだ顔合わせてないんだよね。会いたくもないけど。
(きっと、嫌われちゃってんだろうなあ)
疎ましがられている。あの件から私の素性はバレている。きっと、私は汚い奴だって思われた。
(悲しくは、ないけれど)
覚悟できてたから、怖くはない。こうなることは目に見えてわかっていた。だって危ないことの巻き込んだのは事実だし、けど、
(胸が痛い)
かきむしるような、喉からせり上がってきそうな思いをこらえて、けれどちょっぴり泣きそうになった。
けれどここは保健室。委員会の時間はやってくる。
「わあ、熊と戦ったって本当ですかあ...?」
「ご想像にお任せするなりー」
「うふふー、はい、先輩あーん」
遅い昼食を伏木蔵の手渡しからいただく。
おかゆうまあ。薬膳がゆみたいでかなり配慮されてるんだなあと思った。おかゆの暖かさが胃の中でも伝わって、全身がぽかぽかする感じがした。
「もーいいや、ごちそーさん」
「...え、まだ、半分も残ってますよ？」
「すごく美味しくてありがたいんだけど、食欲うんぬん、骨折してるから腹膨らまないんだよね。これ以上は無理だわ。残りは食べて良いよ」
「...はい。お大事になさってください〜...」
膳を下げた伏木蔵は膳を取り下げて、どこかに運んでいった。
今更だけど、あと他にもう一人、いるんだよね。
幽霊とかじゃないよ
ただ、先輩が一人いる。
(なんでこんな時に二人きり...)
何も話しかけられないし、何も話したくない。
先輩がどんな顔をしてるのかも、わからない。
全て、衝立(室内の目隠しを兼ねた間仕切りのこと)の向こう側だ。
とりあえず何も言うことがないので、何もしなかったけれど、さっきまで何も話しかけてこなかった先輩が近づいて来た。先輩を見上げる。先輩は笑いかけた。
「頭の包帯とガーゼ、一回変えようか」
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
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苺たると(プロフ) - 涙腺ゆるゆるにして見てました…。こういうネタ大好きなので嬉しいです！更新楽しみにしてます！ (2020年6月29日 21時) (
レス) id: 4ddd192ae6 (このIDを非表示/違反報告)
かまぼこうどん(プロフ) - MadHatterさん» ありがとうございます！この小説を楽しみにしていただけたら幸いです！無理をせずゆっくり書いていきたいと思います！ (2018年3月23日 18時) (レス) id: 4829cee081 (このIDを非表示/違反報告)
MadHatter(プロフ) - ボロボロ泣きながら拝読させて頂きました。続き楽しみにしております。無理だけはなさらないでください。 (2018年3月23日 2時) (レス) id: 17134202e7 (このIDを非表示/違反報告)
かまぼこうどん(プロフ) - ざわさん» ありがとうございます。３月以降から本格的に更新を再開したいと思います。今回は生存報告としての今の現状とお話をあげさせて頂きました。引き続き応援よろしくお願いします。 (2018年2月12日 23時) (レス) id: 4829cee081 (このIDを非表示/違反報告)
ざわ(プロフ) - ドキドキしながら一気読みしてしまいました！ この作品大好きです！素敵な小説をありがとうございます。受験はもうラストスパートでしょうか？お勉強頑張ってください！このコメントが届いているかどうかわかりませんが、心から応援しています...! (2018年2月6日 23時) (レス) id: c9576dec0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かまぼこうどん | 作成日時：2017年7月3日 22時
