秘密の告白 ページ17
「先生」
「ええ、 何かしら?」
背中を拭かれてさっぱりする。着物を脱ぐと案の定腹部は内出血で変色していた。
「うげえ、気持ち悪」
「ああそれ、骨折はしていないけれどヒビが入っているから一週間は絶対に安静にしなきゃダメよ」
「ファッ!?」
とサラッと衝撃的なことを言われてしまった。
右目は腫れていているが眼球本体にはダメージがなく、この先も視力には問題はないそうだ。
ふと横にある使用済みの包帯の山を見た。やっぱり、全身ミイラ状態だったのかな。
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「聞いてくれますか」
「もちろん、そのつもりよ」
包帯を巻かれながら呟くように話した。
「私、私、ある日村に遊びに行ったんです。良いって言われたから。それまでは、捕まえた子供を見張る役目だったんですけどね」
「うん」
「...みっちゃんっていう女の子とすっかり仲良くなって、でも、あなたどこの子なの?って聞かれたから、でも、言えなくて、旅の一座で働いてるって嘘、ついちゃったんです」
「...うん」
「それで日が暮れて、さよならしようって、思って、けど、仲間の1人が山から降りてきて、笑ったんです。"かわいい友達だね"って」
「...」
「それからはもうその繰り返しでした」
「いやだって言いました」
「けど、この背中の火傷見てくださいよ。火箸で何度も殴られたり足で蹴られたりで」
この火傷は、もう消えることがないでしょうねえ。三年前に新野先生に言われたことを思い出す。
私の右肩あたりには、今もその跡がある。
汚い、汚い、汚くて最低最悪のやけどが。
「"そんな口叩いたら次はないからな、養ってもらってるくせにえらい口言うんじゃねーぞ"って」
「だから、怖くて、死にたくなくて、嫌でもやらされました。けどまだ、その子たちの顔が思い出せるんです。泣き出しそうな、裏切られた顔」
「それを続けてたある日、ある男が、...」
感情にまかせて言っていたが、怖くなってやめた。
「...どうしたの?大丈夫?」
「...なんか、たくさん人がいる気がして、こわい」
先生の体に顔を埋める。
そうだけど、今ここに2人しかいないけれど、どこかから見られている気がしてきて怖い。
今でもまだ監視されてるんじゃないかと思うと、体が震えて止まらなくなってくる。
「先生、怖い」
「...確かに余計なネズミが沢山いるみたいね」
先生が天井を見てニッコリ笑った。
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苺たると(プロフ) - 涙腺ゆるゆるにして見てました…。こういうネタ大好きなので嬉しいです!更新楽しみにしてます! (2020年6月29日 21時) (レス) id: 4ddd192ae6 (このIDを非表示/違反報告)
かまぼこうどん(プロフ) - MadHatterさん» ありがとうございます!この小説を楽しみにしていただけたら幸いです!無理をせずゆっくり書いていきたいと思います! (2018年3月23日 18時) (レス) id: 4829cee081 (このIDを非表示/違反報告)
MadHatter(プロフ) - ボロボロ泣きながら拝読させて頂きました。続き楽しみにしております。無理だけはなさらないでください。 (2018年3月23日 2時) (レス) id: 17134202e7 (このIDを非表示/違反報告)
かまぼこうどん(プロフ) - ざわさん» ありがとうございます。3月以降から本格的に更新を再開したいと思います。今回は生存報告としての今の現状とお話をあげさせて頂きました。引き続き応援よろしくお願いします。 (2018年2月12日 23時) (レス) id: 4829cee081 (このIDを非表示/違反報告)
ざわ(プロフ) - ドキドキしながら一気読みしてしまいました! この作品大好きです!素敵な小説をありがとうございます。受験はもうラストスパートでしょうか?お勉強頑張ってください!このコメントが届いているかどうかわかりませんが、心から応援しています...! (2018年2月6日 23時) (レス) id: c9576dec0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かまぼこうどん | 作成日時:2017年7月3日 22時