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虚がぽろぽろ吐かれていく ページ16

「...私たちが貴方を放っておけなかった理由は、なぜでしょうかね?」


シナ先生はいつの間にか変身していた。そして若い方の姿の綺麗な顔で微笑む。なんでそんな顔で笑うの、やめて、そんな目で見ないで。

私は八つ当たりだってわかっていたけれど、せり上がってくる激流は止まらなかった。




「だって私はもう忍たまじゃない!こことはもう関係ないのに、それなのに、っ...償わなくちゃいけなかったのに」


憎くてやるせなくてどうしようもなくて床を叩きつけた。床はバンッと音をたてて振動した。


「しななくちゃ、いけなかったのに」


ずっと前に、死ななきゃいけなかったのに此処で生き長らえていたんだ。私は、あの子達のために、死ななきゃいけない存在だったのに。

なんであの時助けたんだ。

心と喉の奥がギュッとなって苦しくて、それでも必死になって耐えようとした。

自分だけが、闇の中に取り残される、怖くて恐ろしい。心の中に膿みたいなどす黒い感情が渦巻く。







「...でもね、子供が泣くのをこらえる必要なんて無いのよ。気づいてあげられなくて、ごめんなさいね」



シナ先生はそんな私を見て、頭を数回撫でてくれた。くすぐったくて、暖かい。その行為に慣れていない私はなぜか安心して、赦された気になって。

ポロポロ左目から涙がこぼれた。

自分の口からは虚が吐かれていく。


「わたし、わだし、だれにもめいわくかけたくなくて、づゆのかわりなんがじゃなぐで」

「ええ、落ち着いたらで良いのよ。今はたくさん泣いて泣いちゃいなさい」

「ひぅ、ごめんなさっ、ぅう、」


目の奥が熱くなっていく。嗚咽もだんだん激しくなっていく。

泣きじゃくって泣きじゃくって泣きじゃくった。

先生は背中も撫でてくれたし、抱きしめてくれた。

母に抱きしめてもらった記憶なんてなかったから、余計に泣いた。


そういえば先生はくのたまたちの授業は良いのかな?って思ったけど、すぐに別の感情が渦巻いて言うことが出来なかった。




何十分か泣いて、鼻を数回鳴らした後、今とんでもなく恥ずかしいことをしているという事に気付いて先生の胸から離れた。

先生は満足気に、「体を拭くお湯と布を持ってくるわね」と保健室から退出した。



ポツンと1人だけのの部屋になった。


というか、今この私の事情、下級生とかにはどう伝わってるんだろう。


けど、まあ、あとで聞けばいいやあ。


今度は暖かい気持ちで布団に入って、少し天井のシミを数えた後、ちょっとだけ、ちょっとだけと思って目を瞑った。

秘密の告白→←お婆の姿でそのシチュは萌えない


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設定タグ:忍たま , 忍たま乱太郎 , かまぼこうどん   
作品ジャンル:アニメ
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苺たると(プロフ) - 涙腺ゆるゆるにして見てました…。こういうネタ大好きなので嬉しいです!更新楽しみにしてます! (2020年6月29日 21時) (レス) id: 4ddd192ae6 (このIDを非表示/違反報告)
かまぼこうどん(プロフ) - MadHatterさん» ありがとうございます!この小説を楽しみにしていただけたら幸いです!無理をせずゆっくり書いていきたいと思います! (2018年3月23日 18時) (レス) id: 4829cee081 (このIDを非表示/違反報告)
MadHatter(プロフ) - ボロボロ泣きながら拝読させて頂きました。続き楽しみにしております。無理だけはなさらないでください。 (2018年3月23日 2時) (レス) id: 17134202e7 (このIDを非表示/違反報告)
かまぼこうどん(プロフ) - ざわさん» ありがとうございます。3月以降から本格的に更新を再開したいと思います。今回は生存報告としての今の現状とお話をあげさせて頂きました。引き続き応援よろしくお願いします。 (2018年2月12日 23時) (レス) id: 4829cee081 (このIDを非表示/違反報告)
ざわ(プロフ) - ドキドキしながら一気読みしてしまいました! この作品大好きです!素敵な小説をありがとうございます。受験はもうラストスパートでしょうか?お勉強頑張ってください!このコメントが届いているかどうかわかりませんが、心から応援しています...! (2018年2月6日 23時) (レス) id: c9576dec0e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かまぼこうどん | 作成日時:2017年7月3日 22時

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