雨の日、私が生まれた日。【忍たま】 2

グッドモーニング() ページ14

「...、？」


気持ちが良くて、目が覚めた。


暖かい布団に包まれている。

障子の隙間からは陽が差し込んでいる。

ヘムヘムが寄り添って寝ている。


「なんだ、これ」


これは一体、どういうことなんだろう。








外でスズメが鳴いている。

今は朝っぽい。なんか視界が狭い。

薬草の匂いが気持ち悪い。



いや、あれ？いつもの光景なんだけど、なんかちょっと変だ。なんでヘムヘムがいんの？っていうか、ここ私の部屋じゃないよね、うん？

「え？え？」

何かがおかしい。ぐるぐる頭が回る。慌てて起き上がろうとしたら全身に痛みがはしった。呻きながらまた布団に埋まる。

「いってえ...！」

え、なにこれ。と思って顔だけ動かして腕を見ると包帯がまかれていた。やべえ脇腹超痛い。頭痛い。腕痛い。全身が痛い。


おそるおそる腕を持ち上げると、私はどうやら寝巻きを着ていて、木の棒で固定されているから骨折か何かはしている。包帯隙間から見えた青白い腕にはなんだか見覚えがあった。


待って、この状態どういうこと。昨日、昨日何したんだっけ私。あれ、視界が狭いのって、


「...右目が、見えてない」


左目だけつぶると視界が真っ暗になる。恐る恐るまだ動かせる片方の手を右目に当てると、ざらりとした布の感触がした。


「あれ、あれぇ？」


頭をフル回転してさせて考えた。すると頭に一つの情景が思い浮かんだ。


"この私がお前を、選ぶとでも思った？"







そうだ、あの時、そう言って、顔、ぶん殴られて。

火が、寺が燃えて、死のうとして、廃寺が、ゴウゴウって焼け落ちていって。意識が落ちて。


「わ、わたし、あのときしんだよね」


ゆっくり起き上がると、や春脇腹あたりが熱を帯びてピリピリする。

痛いということは、私はまだ、生きている。

ここは現実だ。

ゴクリと唾を飲み込む。



「わた、し」



しねて、いないの？




ペタペタ顔を触った。感触がある。包帯と、肌の感触。ついているのは焼け爛れた顔じゃない。

ぐるぐるぐるぐる目が回る。今の状況に頭のスピードが追いつかない。じゃあここはどこだ。


屏風が真横に立て掛けてあったのでそこから辺りをチラリと覗く。


薬棚が見える。すり鉢が見える、応急箱が見える。


「...保健室？」


ってことは、此処は忍術学園？



サッと体温が下がっていく気がした。



私が動いたせいかヘムヘムが起きてしまった。




というかヘムヘムがいるんだから此処がどこくらいは気づけよ、私。

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