5:楽しくないランチ ページ5
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「…あの、それ私のお弁当なんですけど。」
「すげェや。雌犬ごときがこんな手の込んだおかず作れるなんてな。」
晋助がいるかなと思って訪れた屋上。
でも誰もいなくて、一人寂しくランチを迎えようとした私に現れた負の影。
食べようと思っていたお弁当を沖田に取られ、私はグーグーと鳴るお腹を抑えた。
「腹の虫だけは一人前ですねィ。」
そう言いながら、これ見よがしに卵焼きを食べる沖田。
あぁ、今日は上手く作れたのに…と思いながら、私は静かに立ち上がった。
「おィ、どこ行くんでィ。雌犬。」
「購買に行くんですよ、こちとらお腹減って死にそうなんだ…。」
鳴るお腹を押さえ、屋上の扉に足を向ける。
その時、沖田は私の足を掴むと無理やり転ばせた。
「いったァァ!」
屋上の床に大きく入るヒビ。離された沖田の手。
「誰が出て良いって許可した。それに…。」
沖田は半分残っている卵焼きを見せつけると、ニヤリと黒い笑みを見せた。
「欲しいなら、ねだってみやがれィ。」
私は沖田の手首を掴み、その卵焼きを口に運ぶ。
そして、もしゃもしゃと食べた。
「うん、今日の卵焼きは上出来。」
ねだる?誰がそんなことするか。
「それ、もうあげるんでお弁当箱は晋助にでも渡してください。」
「嫌だねィ。それはテメーで渡しな。」
そう言って返されるお弁当。中身は綺麗に片付けられていた。
「お前、高杉の野郎が好きなんだろィ?これで、また話せるネタが増えやしたね?」
私はゆっくりと沖田の顔を見上げる。目の前には、相変わらず楽しそうな笑顔を向けている沖田が。
「安心しなせェ。…内緒にしておいてやりまさァ。」
内緒にするつもりないよこの人!
だって目が血走ってるもの!そんな怖いウィンク見たことないよ!
てか、何故バレたァ!!
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クルルモンキー - クッ!敵わぬ!どうしても鼻血がッ! (2018年7月24日 21時) (レス) id: 5f81d4602a (このIDを非表示/違反報告)
桜月(プロフ) - narutokun0531さん» ありがとうございます!これからもっとドSっぷりを披露していきますね! (2017年9月11日 1時) (レス) id: ceb1c5f540 (このIDを非表示/違反報告)
narutokun0531(プロフ) - すごく面白いです、総悟のドSっぷりがたまりませぬっっ!! (2017年9月9日 0時) (レス) id: b0e0a6ed6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜月 | 作者ホームページ:https://twitter.com/sakura_duki3
作成日時:2017年9月3日 20時