15:鋭い直感と眼差し ページ15
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「…ねぇ、晋助?」
ソファで肩を並べてマルチ対戦しながら、私は口を開く。
「何だ?」
晋助は、携帯から目を離すことなく言葉を返した。
「…喧嘩相手って、沖田…?」
クエストクリア!と出る派手な画面。
晋助は、それを見届けるとそっとスマホをテーブルの上に置いた。
「…あァ。」
一言だけ、言葉を返す晋助。
何で喧嘩したのか、とか聞きたいことはたくさんある。
でも、それを言わせてくれないのは、晋助の目があの時と同じようにギラギラ輝いていたから。
「そんなに、沖田のことが気になるのか?」
どことなく、冷めたような目。
「放課後の廊下で抱き合うほどの仲だもんな。」
「違うよ!あれは…沖田が腕を引っ張ったから…。」
もしかして見られてた?
「…ずいぶんと、嬉しそうな顔してたぜ?
それとも、お前は誰でも良いのか?」
晋助の目が、獣のようにギラギラと輝く。
「…違う。沖田のは本当にただの偶然で…。」
「…そうか、責めて悪かったな。」
晋助は、それだけ言い残すとスマホを手に自分の部屋へ戻って行った。
*
シンプルな自室。
俺は大きいベッドに飛び込むと、腕を目の上に押し当てた。
喧嘩したきっかけは、Aのこと。
≪高杉が、女一人に踊らされるなんざ。≫
沖田は、何かと俺に目をつけている男だった。
そして、俺の何かを探ろうとAに近付いた。
≪高杉も隅に置けねえや。
あの女のことになると、随分熱くなりやすね。≫
そう言って沖田は、俺に拳を向ける。
どちらからともなく、喧嘩は始まった。
≪何を探ってるか知らねェが、Aの近くに居たって良いことなんざねェよ。≫
血と砂埃まみれの体。さすが、と言うべきか、これほど長く続いた喧嘩は銀時の時以来だった。
≪良いこと?ありやしたぜ。
例えば、高杉はポチのことになると一生懸命になる、とか。≫
沖田の瞳の中に写っていた俺は、自分でも驚くほど鋭い目つきで睨みつけていた。
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クルルモンキー - クッ!敵わぬ!どうしても鼻血がッ! (2018年7月24日 21時) (レス) id: 5f81d4602a (このIDを非表示/違反報告)
桜月(プロフ) - narutokun0531さん» ありがとうございます!これからもっとドSっぷりを披露していきますね! (2017年9月11日 1時) (レス) id: ceb1c5f540 (このIDを非表示/違反報告)
narutokun0531(プロフ) - すごく面白いです、総悟のドSっぷりがたまりませぬっっ!! (2017年9月9日 0時) (レス) id: b0e0a6ed6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜月 | 作者ホームページ:https://twitter.com/sakura_duki3
作成日時:2017年9月3日 20時