14:禁止事項と喧嘩事 ページ14
.
鳴り響いた携帯電話。嫌な予感が胸をよぎる。
《おィ、雌犬。とっとと起きて弁当作りやがれ。》
…冷静になれよ、ドSバカ。
夜中の3時に電話する奴があるか!と私は心の中で大絶叫した。
*
それでも律儀に作ってあげる私を誰か褒めて欲しい。
目の下にクマを作りながら、沖田にお弁当を渡せばゲラゲラと笑われた。
今度タバスコぶち込んでやる。
「いつにも増してブサイクなツラじゃありやせんか、ポチ。」
そういう沖田も、顔に絆創膏をたくさん貼っていて見れた顔じゃない。
「バカイザー貴様もな!」と言いたい気持ちをグッと押し込め、私は平静を保つ。
あっ、そうそう。と沖田は卵焼きを頬張りながら声をかけた。
「これから、電話や連絡には1分以内に応答してくだせェ。
あと、敬語と苗字呼び禁止。」
「は?嫌です。」
と言った瞬間、沖田はどこから取り出したのか拡声器のスイッチを押す。
「あーあー。皆さーん聴いてくだせェ。」
「分かりました、すぐに応答します。」
そうだった。
私には、従うという選択肢しかなかったんだ。
無意識に反対してしまう。当たり前だけど。
沖田は拡声器を横に置くと、卵焼きを頬張る。
私は、痛々しい沖田の顔に目を向けた。
「…昨日、晋助と喧嘩でもした…の?」
危うく敬語になる口を直し、私は沖田に聞いてみる。
沖田はそんな私を一瞥した後、口を開いた。
「さァ。本人に聞けば良いじゃありやせんか。」
…人が心配してやってるっていうのに、この男は。
私は隣でモグモグご飯を食べる沖田に目を向け、少しだけ睨んだ。
47人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
クルルモンキー - クッ!敵わぬ!どうしても鼻血がッ! (2018年7月24日 21時) (レス) id: 5f81d4602a (このIDを非表示/違反報告)
桜月(プロフ) - narutokun0531さん» ありがとうございます!これからもっとドSっぷりを披露していきますね! (2017年9月11日 1時) (レス) id: ceb1c5f540 (このIDを非表示/違反報告)
narutokun0531(プロフ) - すごく面白いです、総悟のドSっぷりがたまりませぬっっ!! (2017年9月9日 0時) (レス) id: b0e0a6ed6b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:桜月 | 作者ホームページ:https://twitter.com/sakura_duki3
作成日時:2017年9月3日 20時