11:舌と指、そして唇 ページ11
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あの後、沖田は「ご馳走様」というと私の頭をワシャワシャと撫でてきた。
恥ずかしさのあまり、「お邪魔しました!」と言って、猛ダッシュで帰宅。
「…A、そんなに走って来てどうした?」
慌ただしい帰宅に、晋助はちょっと驚いたような声を上げる。
「へっ!?あ…うっ運動だよ!」
「焼きそばパン食べながらか?」
そう言って、私の口元に親指を這わせる晋助。
その親指が下唇に当たった時、ふと思い出した沖田の舌の感触。
私はもう、顔から火が出そうだった。
まさにキャパオーバー。
「あの、わた…汗臭いからお風呂入ってくるね!」
色気で殺されそう。
私は慌てて晋助の元を離れ、脱衣所へ向かった。
*
「髪の毛、乾かしてやるよ。」
お風呂上がり。
バスタオルで髪の毛を拭いていると、ドライヤー片手に晋助がそう言い放つ。
お風呂場でなんとか落ち着きを取り戻した私は、高杉の前に腰掛けた。
「髪の毛、伸びたな。」
と言いながら、私の髪の毛を指に絡める晋助。
撫でるように優しく乾かしてくれる晋助の手が、とても気持ち良い。
「(ふぅ…。落ち着いて状況を整理しよう。)」
沖田のことに関しては不可抗力。
というか、なぜあそこで後頭部をホールドしてきた。マジ許さねえ。
私はもう、今後一切あいつの口車に乗せられないぞ。あ、弱み握られてるんだった。
晋助に関しては私の好きな人だから、思わずクラッと来ただけ。
これは正常な反応。よし、私はどこも異常なし。
「A、困ったことがあらァ何でも言えよ。」
そう言った晋助は、私の髪の毛にそっとキスを落とした。
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クルルモンキー - クッ!敵わぬ!どうしても鼻血がッ! (2018年7月24日 21時) (レス) id: 5f81d4602a (このIDを非表示/違反報告)
桜月(プロフ) - narutokun0531さん» ありがとうございます!これからもっとドSっぷりを披露していきますね! (2017年9月11日 1時) (レス) id: ceb1c5f540 (このIDを非表示/違反報告)
narutokun0531(プロフ) - すごく面白いです、総悟のドSっぷりがたまりませぬっっ!! (2017年9月9日 0時) (レス) id: b0e0a6ed6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜月 | 作者ホームページ:https://twitter.com/sakura_duki3
作成日時:2017年9月3日 20時