107.特別な夜 ページ40
"そのままこっちに帰ってきなよ"
二宮さんがそう言ってくれた時、実は私もそっちに帰ろうとしていたところだった。
二人とも同じ事を思っていたなんて、なんだか照れくさい。だから少しためらってみた。
そしたら、"見せたい映画があんの"とか言い出して。しまいにはイブの時のこと掘り出すし。
でも。
さっきみたいな感じが、久々で、懐かしくて。
だから一旦、" 本当の気持ち "は置いといて帰って久々に言い合ってやろうじゃないかと。
そう意気込んで二宮さんが待つ自宅へと帰ってきたんだけど……。
「はい、ソファ座ってー」
「ちょっと待って二宮さん…プロジェクター？」
「A初めて？」
「うん…ていうかこの家にそんなのがあったんだ」
「だいぶ前に買ったんだけどさー…ホコリかぶって可哀想だったから」
淡々と準備を進めた二宮さんは、少しだけ私と距離を空けて隣に座った。
薄暗い部屋に映し出された物語は、頭の中の遠い記憶を呼び起こす。
「これ、覚えてない？昔ウチでやってたの」
「覚えてる…。だって私、仕事休みの日に観に行ったもん…」
それはまだ、大野さんと出会っていない頃のことで。
当時恋の音沙汰なんてこれっぽっちもなかった私は、この物語にひどく惹かれたんだ。
いつか私も、こんな風に誰かと恋に落ちたい。
いつか私も、こんな風に、愛を覚えたい。
そしてこのラストシーンのように、永遠を誓うキスがしたい。…そんな夢を見ていたんだ。
なのに…………
「ねぇA。不倫なんかやめて、俺にしなよ」
今、この瞬間にそんなセリフを言うなんて。
「それ… もう聞き飽きた……」
やっぱり二宮さんは、いつもの二宮さんだった。
……だけど、私の肩にそっと彼が手を回すと
「じゃあ……俺の"一番手"においで」
耳元で優しくそんな声を落すから
「………バカ」
私は誘われるようにその肩へ頭を寄せて。
「それがお前の答え…？」
少し顔を覗かせてきた二宮さんに、私は一度だけ頷いた。
この映画みたいな王道ラブストーリーではないけれど、"好き"という言葉がなくても生まれる関係がここにはあって。
「A………」
目と目が合えば、ほら…
まるで永遠の愛を誓うキス。
それは孤独な愛しか知らなかった私の胸の中に、今も、これからも、響き続けるんだ……。
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のね夢(む)(プロフ) - ともさん» とも様＊はじめまして☆大野さんとの幸せを願っていたのですね…智担なら当然だ（＞＜）でも二宮くんの気持ちも響いていただけたようで安心しましたっ。最後まで読んでくださりありがとうござます♪ (2017年7月18日 1時) (
レス) id: 0ea4b451c7 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - のね夢さん、はじめまして。智担の私的には…大野さんと幸せになって欲しかった(>_<)二宮さんの一途な愛がスッゴク心に響きました( *´艸`) (2017年7月17日 16時) (レス) id: b4753fc97a (このIDを非表示/違反報告)
*-eni-*(プロフ) - のね夢しゃーん！ 私、たしか、さっき あっちで保健室で……落ち着いてたはずなのにっ……和くんっっっ！あまあまじゃないかぁぁぁ〜(*/∀＼*) ほろ酔い和くんは本音出て可愛いし嬉しいなぁ〜♪ (2017年4月27日 22時) (レス) id: aaada8bfdf (このIDを非表示/違反報告)
のね夢(プロフ) - 咲詩(さきうた)さん» 咲しゃまー！ふふふ…誘ってます、誘ってます（笑）服のまま一緒に入りたいよ〜いたしたいよ〜←こら。自信のない二宮くんが個人的に好きなのです。んふふ。ありがとう！ (2017年4月27日 10時) (レス) id: 0ea4b451c7 (このIDを非表示/違反報告)
咲詩(さきうた)(プロフ) - のねしゃまー！ナニ、私を誘惑するの？←違……服のままバスタブINは二宮さんが似合うよねー(笑)ちょっと不安になりながら、でも愛してく……素敵！更新有り難う (2017年4月26日 21時) (レス) id: ba6a9accd5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミト
| 作成日時：2016年12月9日 21時
