53.公式と非公式 ページ19
「だいぶ時間掛かるね」
ドライヤーにスイッチを入れて５分も経たないうちにそんな事を言い始めた二宮さん。
だけどその手つきは意外にもソフトで、丁寧だった。
「長いから仕方ないでしょ。女の子は大変なんだから」
「えー…、」
ドライヤーの音に掻き消されそうになりながらも、二宮さんは話を続ける。
「切っちゃえばいいのに」
「えぇ？」
「楽だって絶対」
「ヤダよ。短いのなんか…」
「そう？俺は好きだけどね」
「…」
「あ、"ショートヘア"が、よ？」
「わ、わかってる！」
「くくく…かわいー」
一瞬でも心臓を跳ね上がらせてしまった自分が恥ずかしい。
そして今、「かわいー」って聞こえた。
まるで彼氏が彼女に言う時みたいに、甘くて少しイジワルな声で。
だけどここでどう返すのが正解なのか私は分からなかった。
ていうか「かわいー」を真に受けるのも悔しいし。そもそも聞き間違いかもしれないし。
とにかく、跳ね上がった心臓とこの自惚れた耳を落ち着かせよう。
一度深呼吸をして、目を瞑った。
部屋に響くドライヤーの音と、柔らかい風。
背中に感じる彼の体温と、髪の毛を通して感じる彼の指先。
もしもこれが、"公式"な彼氏との空間だったなら…なんて優しい時間なんだろう。
もちろん、大野さんと過ごす空間が優しくないってわけじゃない。
むしろ心がとろけそうなくらい全てが優しい。
それは、"ここに愛がある"と感じるほどだ。
だけど残念なことに、大野さんは"非公式"な彼氏。愛なんてない。私の勘違いなのだ。
「…まだ足りませんか？ 姫」
「えっ？」
突然夢から覚めたような感覚と共に聞こえた優しい声。
振り返ると、二宮さんが首を傾げていた。
「もう十分、乾きましたよ？」
「その執事キャラなに…」
「こういうの好きじゃん、女子って」
「万人がそうとは限らないから」
「あーそーですか。…ほら、早く横になんな」
ベッドから立ち上がった二宮さんはコンセントからプラグを雑に引っこ抜いた。
「あーー疲れた」
…一瞬で消えた執事二宮。
いや、消したのは私か。
とりあえずお礼を…と思った時、すでに彼は部屋から出て行っていて…
「まぁ、いっか…」
"ありがとう"を諦めた私はそのままベッドに横になった。すると間もなくして…
＿＿"ガチャ…"
再び扉が開かれた。
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のね夢(プロフ) - なこさん» なこしゃん♪ビバ！飴玉ころりん〜！悶え転げてくれてありがとう〜！ラズベリー味ののど飴が実際にあるのか分からないけど、甘酸っぱくてころりんには持ってこいだよね♪ (2016年11月29日 18時) (
レス) id: 96319811bf (このIDを非表示/違反報告)
のね夢(プロフ) - ミツさん» みつさん♪うんうん、ぶっ倒れちゃいますよね☆飴吹いちゃだめですよ！みんなビックリしちゃう(笑)でも、飴吹き出してるみつさんも見てみたいw (2016年11月29日 18時) (レス) id: 96319811bf (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - 添い寝は断っちゃったか…しかーし！飴玉ありがとう！ビバ☆飴玉ころりんプレイヽ(*ﾟ∀ﾟ*)ﾉしかもラズベリー味！甘酸っぱーΣd(ﾟ∀ﾟd)キュンキュンするよー←悶え転げております（笑） (2016年11月22日 13時) (レス) id: af6dc082ff (このIDを非表示/違反報告)
ミツ(プロフ) - みつ改めミツです。こんな風にちょっかい出されたらキュンで倒れちゃうな(*´ 艸｀)添寝もしてくれんかな（笑）これから飴ちゃん食べる度に二宮くんを思い出すよ。仕事中に飴吹かないように気をつける！ (2016年11月22日 6時) (レス) id: 0a5df9af2c (このIDを非表示/違反報告)
のね夢(プロフ) - ななさん» なな様♪コメントありがとうございます！ちょっかいニノくん、いいですよねぇ。私も大好物です♪笑。だんだん本気になっていく彼もどうぞよろしくお願いしますね☆ (2016年11月22日 1時) (レス) id: 0ea4b451c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミト
| 作成日時：2016年10月20日 22時
