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「ほんとにあいつらずーっと先生捕まえたままだからさ。多分全員二日酔いコースだし」


「吉沢くん、先生のクラスなのに途中から抜け出してたもんね」


『…そっか。吉沢くんいなかったね』


「あはは、亮気づかれてなかったって」


「隆うるさーい。てかお前もだろ!」



ぼーっと相変わらずな会話を聞いていると、環奈ちゃんが隣に座ってきた。

高校の頃と同じで可愛らしい顔立ちだけど、どこか垢抜けた気がする。



「先生、今も同じ高校で働いてるの?」


『違う学校だよ。隣の県のね』


「そっかー…なんか残念」


『ふふ、なにそれ』



タイミングが良いのか悪いのか、私はちょうど四年前にあの高校を離任した。

ふみと裕貴、今どうしてるんだろう。

ふとそう思うけど、自分から連絡を取らなくなった私がそんなこと思ってはいけない。

上手く行かないな…何もかも。



「みんな起きて!」



向こうからそんな声が聞こえて、酔い潰れた何人かが起こされていく。
腕時計を見れば、針は九時を指していた。

環奈ちゃんが顔を覗き込んでくる。



「どうする、先生。帰る?」


『うん。家遠いから、そろそろ行かないと』


「俺は家近いからまだいる。亮は?」


「んー…帰る。先生、駅まで送るよ」



.



吉沢くんと一緒に駅まで歩くのは、なんだか懐かしい気がする。
まだ彼が学生の時にこんな状況になったのは…確か、大会の打ち上げの帰り道だったっけ?

少し酔っているのか僅かに赤らんだ頬をしていて、何だかこの子も大人になったなーと感じていた。



「先生?」


『ん、何?』


「LINE交換しよ」


『…そういうのってアリだっけ?』


「もう卒業してるし大丈夫でしょ」



携帯だして!と言われて、そのまま勢いに押されて交換してしまった。
こういうわがままな所は変わっていなくて思わず笑みが溢れる。



『相変わらずだね、吉沢くん』


「…先生は」


『え?』


「先生は、何か変わったね」



ぼんやりと光る月を見上げて、彼は寂しそうに笑って言った。

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那奈(プロフ) - 続きがめっちゃ気になる!!大変だと思いますが更新頑張ってください!! (2020年4月16日 15時) (レス) id: 4a3fdbf345 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年4月7日 18時

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