検索窓
今日:4 hit、昨日:3 hit、合計:23,179 hit

52 ページ3

やっと仕事が終わった。
疲れきった体を動かして何とか帰宅する。

…あれ。

ポストにハガキが入っている事に気が付いて取り出す。
リビングに入って椅子に腰かけた。
何だろ、と思いながらハガキの裏を見る。



『同窓会…先生も来てください?』



何年か前に私が担任した学年の同窓会。
それにどうやら招待されたらしい。

久しぶりだな…誰がいたんだっけ。

立ち上がって本棚の前に向かう。
たくさんある本の背表紙を確認すると、卒業アルバムは本棚の一番端にあった。

取り出して一枚ずつページを捲っていく。
生徒の個人写真や部活の様子を見ると、あの頃の感情が舞い戻ってくるような感覚がする。


個人写真の所で、目が留まった生徒が何人もいた。

顧問をしていたバスケ部の部員や、個人的に仲が良かった、環奈ちゃんと呼んでいた女の子。
私が担任していたクラスの生徒達も懐かしかったし、全員覚えていたことに自分でも驚いた。

同窓会…行こうかな。

皆と会えるのが、純粋に楽しみになっていた。



.



同窓会の当日、会場に着いたら幹事の子に手招きされて、サプライズするから待ってて、と言われた。



「今日は先生もお呼びしてまーす!」



しばらく廊下で待機していると、ドアの向こう側からそんな声が聞こえる。

え、嘘。
そんな期待されて大丈夫?

急に来る緊張を隠して、ドアを開いた。



「「立花先生ー!!」」


『久しぶり!』



覚えられていた事が嬉しくて、笑顔でそう言った。
学年全員でかなりの人数がいるけど、ほとんど見たことのある顔ぶれで懐かしい。



「先生!こっち来てー!」


『…うわ、みんな大人になったねー』



クラス別で座っているのか、呼ばれた所に行けば私が担任した生徒達がいた。
見覚えのある顔なのに、全員どこかしっかりした雰囲気がある。

まさか一緒にお酒を飲む日が来るとは。

もう未成年ではないのに、私の中でこの子達はまだ高校生だったから違和感がすごい。


修学旅行や文化祭など、色々語り合っているうちに元生徒達はお酒が回ってきて、長話にこっちも相槌が適当になっていた。



『もう、飲み慣れてないから…』



眠たーい、とか言いながら机に突っ伏する人数が増えてきた。

まるで授業終わりのあの頃みたいで笑みが溢れる。
違うのは酒臭いところだけだけど。



「A先生、やっと酔っ払いから解放された」



聞き覚えのある声がする。
誰か思い出して振り返れば、随分美形な三人が笑っていた。

53→←51



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (47 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
172人がお気に入り
設定タグ:吉沢亮 , 恋愛 , 俳優
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

那奈(プロフ) - 続きがめっちゃ気になる!!大変だと思いますが更新頑張ってください!! (2020年4月16日 15時) (レス) id: 4a3fdbf345 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2020年4月7日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。