過去最低 ページ7
結果から伝えると、それは過去最低の売上数を記録した。
実際心は折れそうになっていた。
しかし、少数でも私の応援をしてくれている人が居ると、そう思えば私はまだかろうじてステージに立ち続けることができたのだが――・・
それは、ＣＤ発売ライブのこと。
大江戸公園の特設ステージ。その上に立てば、思った以上のお客さんが見え、少しほっとした。
ライブにいつも来てくれていたファンの姿も見え、少し安心したのも束の間
「まだ引退したいの？」
「Aも、もう終わりじゃない？」
客席の前の方から聞こえてきた言葉。
小さな声でコソコソと噂話をするようなその言葉は、はっきりと私の耳に届いたのだ。
そして、次第にその声は大きくなっていき
「や・め・ろ！や・め・ろ！」
一人が発し始めたコールが一体に広まっていく。
手拍子を打ちながら、その声はどんどん量を増していく。
勿論、その様子に戸惑っているファンもいれば、止めにはいるファンや関係者も見えた。
その中に、黒い隊服を着た彼らもちらほら見えたのだが、曲のイントロがかかってもそれは一向にやむ気配はなく、その様子に私は愕然とした。
アイドルになったころに輝いて見えた客席が、真っ黒に見える。
いや、世界が真っ暗になったように感じた。
そのうち、止めに入ったファンと、コールを始めたファンとの間で闘争になり、それは殴り合いの喧嘩までへと発展した。
――やめて。
そんな言葉すら、口から落ちることはなくただ、ひたすら涙が零れた。
「Aッ！」
乱闘となった客席を前に、ステージの上に力なくへたり込みそうになったとき、その体は支えられて、
「――そう、ごッ・・」
彼は私の腕を引き、私は彼に引っ張られるがままステージを後にした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 128人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
神阿(プロフ) - まどかさん» キュンキュンしていただけましたか・・！！よかったです！！応援ありがとうございます！がんばります！ (2016年4月17日 16時) (
レス) id: d25d67767d (このIDを非表示/違反報告)
まどか(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後きゅんきゅんしました( 笑 )これからも頑張ってください( o≧д≦) (2016年4月16日 23時) (レス) id: 14b55f647b (このIDを非表示/違反報告)
神阿(プロフ) - 美輝姫さん» 最後までお付き合いいただきありがとうございました！がんばります！！ (2016年4月16日 21時) (レス) id: d25d67767d (このIDを非表示/違反報告)
美輝姫(プロフ) - 完結おめでとうございます！これからも占ツク頑張ってください！応援してます！ (2016年4月16日 21時) (レス) id: 387d6ce0ea (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：神阿 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kamiamatome/
作成日時：2016年4月11日 21時
