第103話 天国と地獄 ページ4
彼と同棲を始めてからもう2週間になるだろうか
朝、目を覚ました時に隣で彼が寝ている事に未だ慣れず、ドキッとしてしまう
大抵私の方が早く目を覚ますが、彼が起きるまでは眠っているフリをしている
彼はアラームと同時に目を覚ますと、私の頭を撫でて額や頬に唇を落とし、ベッドを出る
そう
私はこれが欲しくて、いつも彼より後にベッドを出るのだ
まあ、これは平日の話なのだが
学校は夏休みに入っており、来週の今頃、彼は林間合宿の真っ最中だ
今日は私達も休みで、いつものアラームが鳴る時間に機械音は聞こえてこない
まだ眠っている彼の顔にかかっている髪をそっとかき上げ、寝顔を観察する
全く消える気配の無い隈や無精髭、目元の傷跡さえも全てが愛おしくて、薄く開いている唇に自分の唇を重ねた
彼を起こさないようにベッドを出ようとしたが、ウエスト辺りに腕が伸びて来て引き戻された
相澤「続きは？」
後ろから抱き締めて耳元でそう囁く彼は、寝起きの声では無い
もぞもぞと彼の方へ向き直ると充血した目と視線が合った
『起きてたんですか…！？』
相澤「ああ、結構前からな。で、続きは？」
おそるおそるキスをするが、表情を変えずにじっと見られ、ため息までつかれて戸惑った
彼は体を起こすと組み敷くようにして私の両手の指に自分の指を交互に絡めた
そして彼の唇によって口を塞がれた後は、何も考えられなくなる程愛された
こんな日があっても良い
とても幸せだった
その幸せな同棲生活は、一月も経たずに終わりを迎えた
林間合宿での敵襲撃による生徒の拉致、神野事件後のオールマイトの引退
僅か数日の間に起きた出来事とは思えない
生徒達より一足先に雄英敷地内の寮へ引っ越し、新生活が始まった
朝起きても隣に彼の姿は無い
寂しいが仕方のない事だ
この時からだろうか
彼が私から離れて行くような、そんな感じがしたのは
入寮してからの彼は、より一層仕事·教育熱心になり、2人きりの時間は殆ど無くなった
共同スペースで食事をしたり、談笑したりする時も、彼の隣にはいつもプレゼント・マイクやオールマイトがいて
わかっていたつもりだったが、やはり寂しいと思うようになってしまった
それでも彼の負担にだけはなりたくないと、気丈に振る舞い続ける
その結果、いつしか彼と2人きりになるのが怖くなり、自分から避けるようになっていた
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さくら(プロフ) - はるさん» 私も大好きなんですよ。だからめちゃくちゃわかります！！更新、楽しみにしてくださってありがとうございます。いつも遅くてすみません…完結に近付いているので頑張ります！ (2021年8月24日 14時) (
レス) id: 4e23a63de8 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 相澤先生のデレ、！！プレマイ、相澤先生の夢小説読み始めてからすごい好きになりました、笑笑こーゆー副産物ありますよね((あれ、そんなことはない？私だけ?笑笑))更新いつも楽しみに待ってます！応援してますっ (2021年8月24日 13時) (レス) id: 417ffa247e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくら | 作成日時：2021年8月13日 0時
