第122話 蜜月 ページ23
どうしようもない羞恥心に襲われている私を見てフッと笑い、“俺は後で入るから先に入れ”と言ってソファーに腰を下ろし、テレビの電源を入れて寛ぎ始めた
私はバスルームへ向かい、入浴の支度をする
大理石の円形浴槽に張られたお湯が見えなくなる程、沢山の薔薇の花びらを散りばめて真紅に染めた
キャンドル風の照明の柔らかな光と浴室中にほんのりと漂うローズの香り、とても贅沢な気分だ
リラックスするはずだった
“やっぱり気が変わった”と言って彼が入って来るまでは
突然の事に焦って背を向ける
彼は頭や体を洗うと私がいる浴槽に入ってきた
一度に三人くらい入れそうな十分な広さがあるのだが、おかしいくらいに距離が近すぎるし、どこを向いてもわざと視界に入ってくる
花びらで体が隠れている事が唯一の救いだった
彼は化粧を落とした私の顔を至近距離で不思議そうに見てくる
相澤「さっきと顔が違うな」
『メイクを落としたからです…』
相澤「そうか…俺はこっちの方が好きだな」
“好き”という言葉に思わず顔を赤らめた
首筋に触れられてビクッと反応すると紅くなった頬にキスをされ、そして唇にも同じ感触が
重ねる度に深くなって行く
浴室に反響する水音と時折漏れる吐息混じりの声が扇情的で
このままではのぼせてしまいそうだ
彼も同じ事を考えていたのか、閉じていた瞼を開けて目が合うと私の体を持ち上げて脱衣所へ連れて行った
バスタオルで髪と体を大雑把に拭き、そのままベッドへ行こうとする彼を止めてドライヤーをかける
“合理的じゃないな”と聞こえた気がするが、私は濡れた髪でベッドを濡らす方が合理的じゃないと思う
気を削がれ、不貞腐れた様な顔をしていた
普段は大人の余裕を感じさせる彼が偶に見せるこの子供っぽい所も好きだ
やがて二人の髪が乾くと不貞腐れた表情のまま私を強く抱き締め、お姫様抱っこでベッドルームへ運んだ
ベッドに押し倒され、嗜虐的な笑みを浮かべる彼に見下ろされて体中ゾクゾクした
それから私達は非日常的なこの空間でとろけるような甘い夜を過ごした
彼の腕の中で夜とも朝ともつかない時間にふと目が覚めた
そういえばプロポーズされなかったなぁ
よく考えたらまだ付き合って半年も経ってないし当然か
知らず識らず自惚れていたのかもしれない
恥ずかしい
まだ半分夢の中、彼の温もりを背中に感じながら両手で顔を覆った
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さくら(プロフ) - はるさん» 私も大好きなんですよ。だからめちゃくちゃわかります！！更新、楽しみにしてくださってありがとうございます。いつも遅くてすみません…完結に近付いているので頑張ります！ (2021年8月24日 14時) (
レス) id: 4e23a63de8 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 相澤先生のデレ、！！プレマイ、相澤先生の夢小説読み始めてからすごい好きになりました、笑笑こーゆー副産物ありますよね((あれ、そんなことはない？私だけ?笑笑))更新いつも楽しみに待ってます！応援してますっ (2021年8月24日 13時) (レス) id: 417ffa247e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくら | 作成日時：2021年8月13日 0時
