第100話 弟子 ページ1
夏休みを目前に控えたとある日の授業中、Aは終業式に配布する保健だよりを作成していた
真っ青な空に浮かぶもこもことした積乱雲と、窓を閉めていても五月蝿いくらいに聞こえてくる蝉の鳴き声が夏を感じさせる
少し休憩しよう
アイスコーヒーを口にして、私の中で今一番の関心事となっている事柄について考えを巡らせた
彼は最近、弟子を取ったそうだ
誰なのかは敢えて聞いていないが、どうやらヒーロー科の生徒ではないようで
朝と放課後に捕縛布の扱い方を教えているらしい
相澤先生の弟子……一体どんな生徒なのだろうか
是非当てたい
そんな事を考えていると終鈴が鳴り、暫くすると“大丈夫？”と心配する声と共に足音が近付いて来た
保健室に入ってきたのは男女2人の生徒で、Aはこの男子生徒の方を良く知っている
入学当初から最低でも週に一度は保健室に病人や怪我人を連れて来る、普通科の心操人使
ある意味保健室の常連と言っても過言ではない彼は、今日もまた体調不良の生徒を連れて来た
女子生徒「A先生…お腹痛い」
女性特有の腹痛を訴えているようだ
私は個性を使って鎮痛剤を出し、生徒に服用させてベッドへ寝かせた
心操「次の授業の先生には伝えておくから。お大事に」
女子生徒「心操〜、ありがとう」
心操「A先生、よろしくお願いします」
彼が保健室を出て行こうとした時、ぐぅーっと可愛らしい音が聞こえた
『心操くん、もしかして朝ごはん食べてない？』
心操「いえ、食べました。でも最近は朝とか走ったりしてるんでお腹が空くんですよね」
今はまだ1限目が終わったばかりで、昼休みまではかなりの時間がある
私は保冷バッグからおにぎりを2つ取り出して彼に差し出した
『良かったらこれ、どうぞ』
心操「でもこれってA先生の昼食なんじゃ…」
『うん。でも今日は別の物を食べたい気分になっちゃったんだよね。嫌じゃなかったら食べてくれない？ちなみに中身は鮭と昆布』
心操「……じゃあ遠慮無く、いただきます」
椅子に座った彼にお茶を出すと“ありがとうございます”と頭を下げた
この礼儀正しい所も好感が持てる
彼がガサガサとアルミホイルを広げる隣で、私は再び保健だよりの続きを作り始めた
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さくら(プロフ) - はるさん» 私も大好きなんですよ。だからめちゃくちゃわかります！！更新、楽しみにしてくださってありがとうございます。いつも遅くてすみません…完結に近付いているので頑張ります！ (2021年8月24日 14時) (
レス) id: 4e23a63de8 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 相澤先生のデレ、！！プレマイ、相澤先生の夢小説読み始めてからすごい好きになりました、笑笑こーゆー副産物ありますよね((あれ、そんなことはない？私だけ?笑笑))更新いつも楽しみに待ってます！応援してますっ (2021年8月24日 13時) (レス) id: 417ffa247e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくら | 作成日時：2021年8月13日 0時
