No spring 16 ページ16
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千賀くんの選んだ映画は、
ヒューマンドラマベースの中に
恋愛も少し組み込まれた内容のものだった。
真っ暗な映画館で大きなスクリーンに見入っていた時。
ふと手を動かしたら、
千賀くんも同じように動かしていたのか
手の甲と甲が軽くぶつかった。
思わず隣を見ると、千賀くんもこっちを見ていて……
絡まった視線に、大きく心臓が跳ねる。
そのまま逸らせなかった。
そして……
千賀くんは何故か私の手を握って。
その熱に驚いて、体が小さく跳ね上がる。
ほんの少し千賀くんの唇が動き、
私の耳に微かにその声が聞こえた気がして、
さらに大きく跳ねる心臓。
ドキドキ鳴り響く胸を抑えることが出来ない私に、
今度は千賀くんが近付いてくる。
ためらいがちにゆっくりと。
でも、その唇は確実に私の唇が近付いてくる。
魔法にかかったみたいに身動きが出来ない。
でも……
次の瞬間、
コメディなシーンに館内が一気に湧き上がって。
その声にびっくりした私達は
パッと目線を逸らし、そのまま前に向き直った。
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相澤(プロフ) - 初めまして相澤です!今更ながらこの小説を読みました。私の理想の千賀くんが詰まっている作品でした!他の作品も読みます!ますます千賀くんのかっこよさとRiaさんの文章力に感動です!ありがとうございました! (2015年10月17日 9時) (レス) id: f7188b01d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Ria | 作成日時:2015年7月8日 16時