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お父様の撫でてくれる手が大好きだった。
優しく、頭を撫でて微笑んでくれるその顔も。
でも、呆気なかった。
お父様の最後は。
暗殺され、死亡。
体内の水分があと一歩でなくなる、その時まで泣きつづけた。
犯人はすぐ見つかる。
王族だもの。
しかも国民から慕われていたお父様。
国民も、家来も、全員、全員、犯人探しに協力してくれた。
犯人は、軽く拷問を。
大の男が震えて鼻水も垂らして泣いていた。
｢家族が居るんです｣、と。
それなら、家族が居るのならば、家族が居なくなった私の気持ちも分かるはず。
ふざけるな。
簡単には死なせない。
それから、一ヶ月。
犯人を処刑した。
最後の姿はとても、見るに堪えない姿。
指の爪はなくなり、手足はもぎれ、身体は切り傷だらけ。
可哀相。
まぁ、私がしたんだけど。
最後、首を斬るのは処刑人。
私の声一つで、
人が死ぬなんて。
あぁ、可笑しい。
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作者名：鮫の介 | 作成日時：2023年1月26日 19時
