第27話(F side) ページ28
資金調達の為の任務を終え、ふいー、と自室のソファに寝そべる。
昨日今日と、さきの戦闘への備えのため、軽度の任務を俺ときっくんでひっきりなしに受けていた。
さすがにまる2日間、あっちいってこっちいってと飛び回っていたので疲れた。
えおえおとAが動けるようになるまでは、俺たちがカバーしていかないと。
｢コーラ‥‥コーラ飲みてぇ‥‥ピザ食いてぇ‥‥｣
寝言のような欲望が止まらない。
くたびれた足を冷蔵庫まで運ぶと、
コンコン。
ドアを叩く音がした。
｢はーい｣
｢‥‥FB、おかえりなさい｣
Aが、顔を出した。
｢‥‥A、お前‥‥ノック出来るようになったのか‥‥！｣
｢う、うるさいな！さっきえおえおびっくりさせちゃったから、その、一応‥‥｣
そう。
こいつのステルスは天性のもののようで、日常生活で気がつくと後ろにいるなんてことはしょっちゅうだった。
そうか、ノックという新技術まで習得したのか。いやはや成長とは素晴らしいものだ。
｢どしたん？なんかあったの？｣
｢いや、なんていうか、｣
妙に歯切れの悪いA。珍しい。
｢あのね、疲れてるとは思うんだけど、ひとつお願いがあって｣
｢なになに？｣
かわいいAのお願いならなんでも聞いてやろう。
そう言えば、う、と言葉を詰まらせる。
まぁ立ち話もあれなので、ソファに座らせて、コーラを二つのグラスに注ぎながら言葉を待つ。
｢スナイパーライフルの使い方、教えて欲しい｣
カラン、と、氷の音が響いた。
｢だめだよ｣
｢なんで！｣
結構即答に近い返事をすれば、Aは食い下がる。
やはり今日のAは少しおかしい。
｢まだ傷、治ってないでしょ？｣
｢大丈夫だよ、もう塞がった｣
｢嘘はだめ。あろまからちゃんと聞いてるよ｣
｢‥‥っ！お願い！何でもするから！｣
｢今はだめ｣
｢FB！｣
はい、どうぞ。
あくまで会話の一部のようにコーラを差し出せば、Aはグラスに見向きもせずに俺を見上げている。
うう、そんな目で見ないでよ‥‥負けそうだ。
｢‥‥なんで、そんなお願いしに来たの？｣
｢‥‥｣
出来るだけ優しく問いかければ、Aは見たこともないような、力のある瞳を俺に向けて、
｢‥‥守りたいものがあるの｣
そう言った。
だめだ、俺の負けだ。
｢‥‥わかったよ、今回だけね｣
｢FBっ！｣
ため息混じりに言えば、輝かしい笑顔が咲き誇る。
どうにも俺は、Aに弱い。
お父さんのような気分だ。
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こばやし(プロフ) - わふうさん» 外しました。ご指摘ありがとうございます。 (2017年5月6日 20時) (
レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
わふう - オリフラはずしてください (2017年5月6日 18時) (レス) id: bef332b0cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こばやし
| 作成日時：2017年4月17日 19時
