第18話(A side) ページ19
くそみてーな茶番にアホほど怒鳴り散らすと、えおえおは戸惑った顔をしながら、でも、と慌てたように声をあげた。
｢血っ、血が、止まらないんだ。さっきからずっと抑えてんだけど｣
｢ああ、見りゃわかる。顔色がやばい、もうかなり危険な状態だと思う｣
そうか、2人とも血まみれだったのは、このせいか。
急いでAの服の前部分を開くと、左肩には目をそらしたくなるような酷い銃痕。
幸い、弾は貫通しているようだ。
しかし、弾を喰らったとき特有の火傷の跡と、明らかにその傷を抉ったような痕跡がある。
うっ血している所を見ると、殴られたか、踏まれたか。
｢兎にも角にもずらかるぞ。早く治療がしたい｣
｢ああ。あ、きっくんとFBは？｣
しまった、忘れてた。
慌てて無線に触れる。
｢おい！てめーら無事か！｣
頼む、返事をくれ！
程なくして、ジジ、と無機質な音が鳴る。
『こちらFB！ちょっとピンチだったけど、なんとかきっくん回収したぜ！』
『もうやだーおうち帰るーー！！！』
よかった、よかったよかった！！
全員、生きている。
あいつら2人なら脱出も訳ないだろう。
｢良かった！こっちも無事任務は達成した。だがAが意識不明の重体だ。治療のため一足先に車でアジトに戻る｣
『え、あ、A！？』
『生きてるのか！？』
｢瀬戸際だ！！一刻も早く帰って治療に当たりたい。いいか！てめーら死ぬなよ！！！｣
『お、おう！』
無理矢理に通信をぶち切って、Aを抱えあげる。
えおえおを振り返ると、少し辛そうだが自走は出来そうだ。
｢すまん、手を貸してやれん｣
｢いい、俺よりも、｣
Aを、頼む。
強く頷いて、俺達は駆け出した。
無事車にたどり着いて、後部座席にAを寝かせる。
運転席に回って鍵を捻ると、少し遅れてきたえおえおが、やはりゼェゼェと気になる呼吸のまま、後部座席のAの横に乗り込んだ。
｢飛ばすから、支えといて｣
｢っ、‥‥任せろ、｣
発進させた後で、やはりこいつはとんでもないバケモノだと思った。
骨折った昨日の今日で、起き上がって、走っている。
もしかして、あそこに倒れていた連中はこいつがやったんじゃ‥‥。
ふと嫌な予感がして聞いてみれば、
｢そうだよ｣
と、何ともないような声で返された。
｢勢いあまってターゲットも殺しちまったけど、結果オーライだった｣
ちゃっかり、ポケットに例の白い粉まで回収している。
一番やべぇのは、こいつかもしれない。
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こばやし(プロフ) - わふうさん» 外しました。ご指摘ありがとうございます。 (2017年5月6日 20時) (
レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
わふう - オリフラはずしてください (2017年5月6日 18時) (レス) id: bef332b0cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こばやし
| 作成日時：2017年4月17日 19時
