第31話(E side) ページ31
りんご飴、たこ焼き、クレープ。
様々な屋台が軒並み立ち並ぶ様子を、人混みに押されながらレンズに収めていく。
｢えおえおー、迷子になるよー｣
少しだけ離れたところから大きく手を振るAも、パシャリと１枚、撮ってみた。
あれよあれよという間に空は暗くなり、一気にお祭りムードが加速していく。
さすがにこれ以上もたもたしてたらはぐれるな、ちょっと追いかけよう。
｢すごい人だね｣
｢なにー？なんか言ったー？｣
｢なんでもなーい｣
俺の声は低いから、喧騒にかき消されやすい。ちょっと悲しくなった。
｢あ！あったぞ金魚すくい！！｣
｢よしならべ！！｣
人混みをかき分けていくきっくんとFBに続いて、俺らもどうにか金魚すくいの列に入り込む。
暑い。
｢A｣
｢ん？｣
すぐ真下にあるAに、聞こえやすいように耳元で声をかける。察したAも耳を傾けてくれた。
｢どした？｣
｢喉乾いてない？｣
｢あー、確かに！｣
｢俺なんか買ってくるから、あいつらにも伝えといて｣
｢えおえお1人で平気？ついてこーか？｣
｢大丈夫、でもケータイはいつでも見れるようにしといて｣
｢あいよー、気を付けてねー｣
｢ん｣
相変わらずゆるいけど、愛嬌のある笑顔で手を振ってくれた。屋台の光やら周りの空気やらの影響か、いつもより写真映えしそうな綺麗な笑顔だった。うー、写真撮りたいけど我慢。
｢あいよ！毎度あり！｣
｢あざす｣
お金を渡して、屋台のおっちゃんから袋を受け取る。飲み物を５本買ったら袋入れてくれた。有難い。
さて戻るか、と振り返ると、さっきの金魚すくいの出店からはそう離れていないのに、この人混みのせいですでに心が折れそうになる。戻れるかなこれ。やっぱり着いてきて貰えばよかった。
｢あ、きたきた！！｣
なんとかもぞもぞと歩いていると、頭1個分ぴょこんと出たきっくんが手を振ってくれた。背が高いって便利だな。
｢やっと辿り着いた‥‥｣
｢お前‥‥なんでそんなボロボロなんだよ｣
｢何と戦ってきたんだよ｣
げっそりとしたまま、FBときっくんに飲み物を手渡す。
｢あれ、Aとあろまは？｣
｢え？｣
ペットボトルを渡そうとして、残りの2人を探す。
｢えおえおと一緒だったんじゃないの？｣
｢‥‥‥‥え？｣
きっくんが不思議そうに俺を見たのもつかの間、三人して、サッと顔が青くなる。
｢‥‥‥‥｣
｢‥‥もしかして｣
｢‥‥‥‥はぐれた？｣
よりによって、あの２人かよ‥‥。
→
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xjythtphs1213(プロフ) - こばやしさん» 返信ありがとうございます…！ いやいや、読んでて楽しめます！！eさんのフェチの話も読んだんですが、素直にキュンとしました… もうこばやしさんのセンスが大好きですﾟ(ﾟ`ω´ ﾟ)ﾟ (2017年8月22日 21時) (
レス) id: ab8a07239c (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - xjythtphs1213さん» コメントありがとうございます！もったいないほどのお言葉でございます……！！作品数もそこそこありますので、無理はなさらぬよう、お楽しみ頂ければ幸いです！ありがとうございます、頑張りますっ！！ (2017年8月20日 23時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
xjythtphs1213(プロフ) - 読むのが止まらなくて、秒で読んでしまいました…！至る所で、言葉や表現にドキッとしました！とても面白かったです！こばやしさんの小説、全て見ます(*ﾟvﾟ*) (2017年8月20日 13時) (レス) id: ab8a07239c (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - しにゃもん(｀・ω・´)さん» コメントありがとうございます！なんとか無事完結いたしました……笑 意外とこういった暗めのお話もお楽しみ頂けるようで安心いたしました！！次の小説も頑張ります‥‥！！(´;ω;`) (2017年8月10日 2時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
しにゃもん(｀・ω・´)(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです！完結お疲れ様でした！最後の方は本当に涙が止まらなかったです…！ (2017年8月4日 10時) (レス) id: 23db386b10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こばやし
| 作成日時：2017年7月25日 22時
