夢はアイドル last ページ7
まつもとside
中々泣き止まないかずくんにどうしたものかと思っていると玄関の開く音がした。
k「…！、ぱぱ…」
俺の腕からすり抜けて玄関に駆けていくかずくん。
慌ててその後を追う。
s「かず、ただいま…ってどうした？」
抱きついてきたかずくんの体温とおでこに貼られた冷えピタに心配そうに眉を下げるさとしさん。
j「さとしさんおかえりなさい。
かずくん、夕方から発熱してしまって。
咳も鼻水も無いから風邪では無いと思うんですけど…」
s「…そっか。かず、パパすぐお風呂入ってくるから一緒に寝ような。」
k「…うん」
.
一晩寝て熱が下がったかずくんは昨日学校であったことを俺とさとしさんに話してくれた。
さとしさんはすぐにマネージャーさんに連絡をして参観日に休みをねじ込んだ。
そして参観日当日。
結局1日休みには出来なかったさとしさん。
仕事の合間に何とか参観日に来るらしい。
授業が始まっても現れないパパに何度も後ろを振り返るかずくん。
「じゃあ次、おおのくん。」
k「はい。」
かずくんが席を立ち前に向かって歩き出した時、教室のドアが開き息を切らしたさとしさんが入ってきた。
j「ちょ、さとしさん、変装…！」
帽子もメガネもマスクも無くアイドルおおのさとしのまま教室に入ってきたさとしさんに教室内がザワザワする。
かずくんはパパが来たことに嬉しそうに笑い作文を読み始める。
k「僕の将来の夢はおとうさんみたいなアイドルになる事です。」
授業が終わりかずくんは嬉しそうにこちらに駆け寄ってくる。
k「パパ！どうだった？」
s「流石俺の息子。上手に読めてたよ。
でもな、アイドルは一家に一人で十分だから他の仕事を選びなさい。」
.
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作者名：徒夏 | 作成日時：2023年3月18日 22時
