キスしないと出られない部屋【文スト】

キスの後２　　　　　　　　　中島敦 ページ3

与「お、主役のお出ましだねぇ」
「はい？なんのこと、与謝野先生」
太「まあまあ、ほら彼が待ってるよ」
「彼？ちょ、押さないでよ太宰さん」
ナ「やりましたわね、Aさんっ！」
「何を？！」
潤「お、おめでとうAちゃん」
「え？ど、どうも？」
鏡「これ、お祝い…」
「わー、可愛いお花！ありがと、鏡花ちゃん」
国「まさかお前たちに先を越されるとはな」
「あっはは、何の事なんですかほんとに。私何の先を行ったんですか」
宮「これ僕からですー」
「うっわ！すごい量の野菜だ。ありがとう賢治君」
乱「おめでとうA。名探偵の僕からはビー玉をあげよう！」
「う、うわーい。嬉しいなー」

福「A」
「っわ！社長？！お、お久しぶりです………」
福「………此度の件、慶祝の意にたえん。おめでとう」
「あ、ありがとうございます………でも私いったい何の事だか」

敦「Aさん！」
「あ、敦君！ちょっとこれどういうこと？私だけおいてけぼりなわけ？」
敦「Aさん、落ち着いて聞いてくださいね？」
「お、おう………」
敦「僕は高給取りというわけでもないし、特別かっこいいわけでもありません」
「う、うん。知ってる」
敦「気づくとお茶漬けばっかり食べてますし、勝手な早とちりで皆さんに迷惑をかけることもしばしばです」
「うん」
敦「でも！」
「(ビクゥッ！！)」
敦「こんな頼りない僕ですけど、これからの人生を僕と一緒に歩んでくれませんか？一番近くにいられる、夫婦、という形で………」
「……………え？プロポーズ………だと？！」
敦「……はい」
「……あ、その………。参ったな、18歳に結婚を申し込まれるとは」
敦「………駄目、ですか？」

「…………ううん、夫婦共働きで頑張っていこう！」

敦「や、やったあああああ！！」
太「おめでとう御二人さん」
国「よくやったな小僧」
福「………幸せに暮らせ」
乱「まあこうなることは最初っからわかってたけどねー」
潤「うっ！ひっぐ！良かったねえ敦君………」
ナ「まあお兄様！涙をお拭きになって」
宮「結婚式では牛の丸焼きを用意しましょうかー」
鏡「ドレス、私も一緒に選びたい」
与「じゃあ化粧は妾がしてやろうかねぇ」

「み、皆さんありがとうございます！」
敦「………ふふ、」
「敦君？どうしたの急に泣き笑いなんて。器用だね？」
敦「いえ、皆さんに祝福されて幸せだなーって」



(こんなに祝福されると、生きていてもいいんだなって思えたんです)

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