▼ 呪術高専に愛され狙いが出現した【呪術廻戦】

「みんなを助けてあげる」 ページ25

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その部屋、談笑が聞こえるあの女の部屋から、彼女は黙って退出した。

扉を思い切りバン！と閉める。



でも奴と、あのキモ女と楽しそうに喋ってる“彼ら”は、私の方をチラリとも見ようともしない！！





「……っなんで、なんでなのよ！！」





古びた木造校舎の廊下。彼女は立ち止まり、癇癪を起こしたように地団駄を踏む。






「なんで私じゃなくて、みんなアイツの方を見るのよ！！！」





甲高い声が響いて、そして消える。
勿論、返してくれる者は彼女の側には1人としていない。



あの時もそうだ。私があの女と組手をするって言った時。
みんなみんな、アイツを見てた。


私はアイツにお腹を殴られたのに。





ああなんで。私の方が可愛い、絶対アイツより私の方が、絶対に！！！
あの女を、どうして、なんでみんなあの女を取るのよ！！！

可愛いって言われる方法も、みんなが私のことを好きになるやり方だって知ってる、なのに！！





爪を噛む。悔しさとあの女への憎しみでどうにかなりそうだった。





誰も私を信じてくれない。誰も私へ笑いかけてくれない。誰も、誰も誰も、誰も私の側にいてくれない！！


全部全部、あの女が！！！





「原作にいなかったのに。まさかあの女もトリップしてきたの……っ！？」





私と同じ方法で(・・・・・・・)。





それなら、アイツは、アイツの手は私と同じように＿＿＿＿_。






私が願ってやまなかったこの世界。

入り口は、私の手で切り開いてみせた。



だからこれも、もしかして、私に与えられた試練ってこと？





「……神さま。私、あなたの言う通りにしたのに。


これも神さまの試練？」





前の世界で私がやったこと。
それをもう一度やればいいのかな。



あの女に、もう一度。






「……そうね、そうよね。あの女の魔術に……いや、この世界なら「呪術」か。


みんな、あの女の呪術に掛かってるだけだよね」



だから私は愛されない。

神さまの試練を乗り越え、この世で愛されるはずの私がこんなのって、有り得ないから。



あの女が消えればきっと、今度は私が。







「待ってて、みんな」







＿＿＿__＿＿＿ 「私がみんなを助けてあげる。」






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