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この自己中野郎、攫っておいて記憶を取り戻せだの何だの、勝手なこと言ってんじゃねーぞ!!
しかも一回逃げようとしただけで凍死アンド溺死のサンドイッチ?違う、ダブルパンチってバカ、お前の母ちゃんデベソ!!!顔だけの男ーー!!!
「その目に、焼き付けろよ、わた、私、ぜってーお前、睨みながら、っ沈んでくから!!お前の手、なんて、ぜってーー取らん!!!」
怨念だよこの野郎、地縛霊になって飛んで行ってやる。……地縛霊とんでいける……?飛んでいけるな。多分できる。やればできる。
綺麗な蒼い目を丸くさせた男は、顔を手で覆った。
そんなの最早どうでもいい。私が死ぬなら、お前も道連れにしてやる、本当に、いやもう寒、
背中にぼふん、と何かが当たった。
ぼやけた視界に眩しい光が当てられる。
………???……あれ?
「はい失礼しまーす」
そして目の前に動く黒の塊。
そいつは寝転がったままぴくりとも動かない私に何かをどんどん乗せていく。
温かい。暖かい?あれ、ここは
「足冷たっ。凍ってない?大丈夫?」
え?犯人、え?
君はもしかして二重人格者?
「ヒーター付けといて正解だったな。よいしょ」
抱えられた。
そして赤の光の前に置かれた。
………ヒーター……?
「走馬灯かな……」
「ヒーターにそんな思い入れある?」
死ぬ間際助けてくれた的な……?
凍りかけた身体を徐々に溶かしていくような感覚。縋るように手を伸ばした。やっぱり暖かい。
「こういうのって人肌が一番って言うよね」
もこもこに着膨れした私の背後から何かがぎゅっと包み込んだ。
ようやく震えが止まった身体をもぞもぞ動かし、振り返る。
「風の吹き回しが凄すぎて、風邪引く」
「あったかいコーヒーでも飲む?」
「………すごい甘いやつ……」
彼は私から離れてキッチンへ向かい、少しして帰ってきた。
「はい、あーん」
「アッチアチをあーんさせる君の気が知れない」
美味いけど。この状況も理解不能。脳は凍死しかけてるのか。はたまたとっくに機能が停止したのか。
また後ろから体育座りをした私を包み込むように彼は抱き締めてきた。サイコパスって本当思考読めないよね。
「手荒な真似してごめんね。出てこうとしたのはマジでイラっとしたから……許してくれる?」
「ごめん、今色んな感情が死んでるから君の上目遣いがただただ憎たらしくて仕方ない」
そして力強い。加減考えろ。
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sou(プロフ) - はじめまして!!読み始めたばかりなのにもうこんなにも進んでしまいました!!基本的に夢小説でのギャグ系苦手なのですが、こちらすっごく面白くて!!これからも最終章行ってきます! (2022年2月11日 16時) (レス) @page50 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
巫礜 - 2章完結おめでとうございます!!とても面白くて一気に読んでしまいましたー!3章も楽しみに待ってます!無理せず頑張ってください!応援してます!! (2020年11月29日 23時) (レス) id: af56b806d8 (このIDを非表示/違反報告)
き(プロフ) - 完結おめでとうございます!今回も楽しく読ませて頂きました!展開に置いてかれる悠仁がちょっと面白かったですw3章も楽しみにしてそれこそ犬のように待ってます!! (2020年11月29日 13時) (レス) id: c55596aced (このIDを非表示/違反報告)
呉羽(プロフ) - 2章完結おめでとうございます!いつも通知が来るたびワクワクしながら開かせてもらってます。これからも応援してます!では、お体に気を付けて。 (2020年11月29日 12時) (レス) id: cfabc7c0e0 (このIDを非表示/違反報告)
レミリア(プロフ) - 第2章の完結おめでとうございます。いつもはぁはぁ息を荒くしながら見させて頂いております(キモい)第3章も楽しみです! (2020年11月29日 10時) (レス) id: 0a87aae102 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Nny。 | 作者ホームページ:
作成日時:2020年11月23日 1時