私、悟お坊ちゃまの “元” 専属メイドです。【呪術廻戦】

第75話「不吉」 ページ31

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でもその心はきっと「馬鹿の方が扱いやすいから」でしょうけども。


変に賢いよりは馬鹿の方がいいよな。そう自己完結してたら悟お坊ちゃまはジジイの頭を力尽くで捥ぎ取った。



もう一度言う。首を、ブチッと、捥ぎ取った。

途端に首元から勢いよく噴き出す紫色の血。撒き散らされるそれは、地面はびちゃびちゃと音を立てて落ちていく。



「うわエッッッッッッグ」

「え？卵？」

「この状況で出てくる卵って何物なの」



なんだそのノリ。
片手でジジイの頭部引っ掴んだままそのノリかましてくるのただの恐怖なんですけど。


世界が崩壊したように宇宙の内側に亀裂が走った。
鏡のようにパリンと音を立てて、やがて綺麗な空間から先程までいた湖の世界に戻った。



やけに懐かしく感じる。そんな事を思ってたら悟お坊ちゃまがジジイの頭部を森の方へ投げた。サッカー始めようとしてませんかお坊ちゃま。



「さて。誰に言われてここに来た」



容赦無くジジイの頭部を足蹴にしながらお坊ちゃまは問いかける。本当にサッカーがしたいのなら私はゴールキーパー役やりたいです。

ようやく茶色の土の地面に降り立った。久し振りに触れる感触にその場でジャンプする。いや〜やっぱり青より黒より赤茶色より普通の茶色ですね。



その時ふと、どこかから視線を感じた。
なんとなくそちらの方角を見てみれば、遠く離れた場所にある崖に、滅茶苦茶小さな人影を発見。


2人……？見え辛いけど、2人いる？



遠くなのでほぼ豆粒大である。視力も普通だから本当に「人の影」としか認識できない。何を着てるのかとか男なのか女なのかそもそも人間なのか、そんな些細な情報を確認する術などある筈がない。



でも何故、どうして、どうして目が合ってるように感じるんだ？



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