私、悟お坊ちゃまの “元” 専属メイドです。【呪術廻戦】

第76話「根に持つタイプ」 ページ32

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「命令されて動くタイプじゃないか……Aみたいな単純な奴だったら楽だったのに」

「息するように私を巻き込まないでくださいよ」

「Aだったらこうやって、最強相手に一人で特攻仕掛けられる？」

「君に命令されたら逆らうのもアレだしサイキョー相手なら爆弾巻いて突撃する」

「こっっっわこの人。マトモな精神じゃねーよ。もうチョイ自分を大切にしましょうよ」



悪いな少年、主人の命令は絶対なんだ。

しかし悟お坊ちゃまは「天地がひっくり返ってボサノバ踊り始めたとしてもそんな事言わないよ」と頭にポンポン手を乗せて撫でられた。助かります。



「アレじゃない。悟お坊ちゃま強いから、それを妬んだコイツが一人で殺しに来たとか」

「そんな単細胞じゃないと思うよ、Aじゃないんだから。僕を殺したいのならもっと綿密な計画を立てて、大量の軍を率いて来てもらわないと割に合わない。コイツもAじゃないんだから、そんな馬鹿な真似しないはずだ」

「チョイチョイ私の名を挟んで勝手に貶めるのやめてくださる？」

「例えば、僕を殺すと何かいいことがあるとか。……どちらにせよ、相手は誰だ？」



目隠しを戻しつつ、指で隙間を作り直接ジジイを蒼の瞳で見下しながらボールのように足で弄んでいる。

楽しそう。私もやりたい。ボールに意思があるのがめちゃくちゃ気持ち悪いけども。



「はやく言えよ、祓うぞ？言っても祓うけど」

「ハイ！祓うなら、私が思い切り蹴っ飛ばして月の彼方まで届けます！」

「うーん、試してみる価値はありそうだな。良いよ」

「ちょっとその呪霊に同情するわ俺……」



わーい！とはしゃぐ私に対し、そんな私を恐ろしいものを見るかのように見つめる虎杖くんの目は引き気味である。

まるで化け物を見たかのような目だな。私だって散々このジジイに貶されたんだ、このくらい許してくれても良いだろ？



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