私、悟お坊ちゃまの “元” 専属メイドです。【呪術廻戦】

第64話「高所恐怖症」 ページ20

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「(じゃあ直さなくて良いか)」



褒められたら調子に乗っちゃう典型的な子です。

一応黙ったまま彼の進撃を眺める。本当に人一人背負ってるにも関わらず彼はあまりに強かった。というか速すぎて残像しか見えん。掴まることすら必死な私に実況は務まりませんでした。完！！


なんて。
そしたらいつの間にか決着がついたのか、彼の鋭い蹴りをモロ食らったジジイが湖の方へ吹っ飛ばされて行く。



ていうか今気付いたけど高い。
待って高所。これはマズイ、途端にブルってきた。



「怖い？震えが伝わってくるけど」

「私高いところだけダメなんです、痛いのも嫌だけど、怖いんです」

「ふ〜ん。良いこと聞いちゃった」

「最低だなほんとお前、もう嫌ホント嫌……」

「トラウマになるような事でもあったの？」

「知らん、知らん、この世界に落ちてきたのも高いところからでホント最低だよ……！！」



「落ちてきた？」



そうだよ。ネコちゃんの恩返しよろしく上空からスカイダイビングだよ！！！

私には頼りになるネコもカラスもいなかったのでただただ孤独のまま落ちました。これで死んだら確実に未練タラタラな地縛霊になってた。それでも死ななかった私は不死身のメイド。よろしくお願いします。



「……第三者の力が関わっている？Aが消えたり飛んだりタイムスリップしてきたのも、ソイツが関係してるのか？だから昔のままの姿で成長が止まってる？」



難しい顔をして凄く考え出した悟お坊ちゃま。

そんな時、ふと思い出した。



「悟お坊ちゃま、もう28歳アラサー間近のあなたをお坊ちゃま呼びするのは限界に近いのでなんと呼べば良いでしょうか」

「一々突っかかるような言い方しか出来ないのかなこの口は。大体Aは今幾つなんだよ」

「分かんない。正直記憶が無いから、もしかしたら君より年上の可能性アリ」

「それは断じて無いな、有り得ない。そんな有様で僕より上とか、まだ地球は四角形だって言われた方が信用できる」

「地球って丸いよね？？？」



酷い言われようパート不明。
ボロクソに言ってくるじゃんほんと、空中にいる内は下手に反論とか言えないけど。


結局「君の好きなように呼びな。GTG(グレートティーチャーゴジョウ)でも可」と言ってきた。その案普通にダサいし長い。悟お坊ちゃまでいいや。



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