私、悟お坊ちゃまの “元” 専属メイドです。【呪術廻戦】

第78話「犬、奮闘する」 ページ34

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奴の手から何かが放たれた。
そして脳に響き渡った変な言葉。





＿＿＿＿「丁度良い。私も彼も貴女を欲してました」





とりあえず意味が分からなかったのでくるりとターンして今度は全力で悟お坊ちゃまの方へ駆け出す。

後ろから物凄いスピードで何かが迫って来るのを察した。ごめんこれ引き連れて来ちゃった系！！



「わ〜〜〜っ心の底からすみませんでした！！！」

「君の無鉄砲ぶりにはホント感心しちゃうよ」



「君は警察犬にも牧羊犬にも向いてそうだ」とお坊ちゃまは笑って、私の後ろ一メートル程まで迫っていた木の幹へ手を翳す。


背後でグシャリと力任せにへし折られる音がした。



振り返る。木の破片が地面に落ちていた。
そしてこちらに伸ばされていた木は消滅し、ついでに先程の人間とは思えない造形の奴らはいなくなっていた。


そして前を見れば、何故か虎杖くんが土下座していた。私もその隣で膝をつく。



「………メイドさんも何かやらかした？俺は敵に邪魔されて先生に助けてもらった」

「追跡出来なかった。そして敵を引き連れてしまって結局悟お坊ちゃまの手を煩わせました」

「ああそう、でも少なくともこの俺よりは役に立ったって事ね」

「どうした虎杖くん。キャラ変か？とりあえずここは謝ろう」



すみませんでした、と二人して地に額をつけ片手を前に出し謝罪のポーズ。私が得意な土下座である。

しかし悟お坊ちゃまはそんな私たちに背を向け、何やら楽しそうに考え事をしている。見ろよ私たちを。精一杯の謝罪だぞ。



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＊番外編＊「メイドさん、囚われる」→←第77話「敵さんこちら」

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