「君が良ければ付き合いたい」 ページ10
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「こりゃまた手厳しいアンサーで。俺は明らか脈無しってことかい」
「そうですね」
「なら他にどんな異性がタイプ?」
「変にグイグイ来ない人」
「他には?」
「ダリィ質問を延々としない人」
面倒になってきて机に頬杖を付きながら答える。お悩み相談じゃないなら真面目に対応する気はない。
「俺は君に興味がある。君が良ければ是非お付き合いさせて欲しいとも思ってる」
「私は微塵も思ってないので結構です。んで、他に悩みは?」
「不乱蔦ちゃんって子に凄いアピール受けてるけど、どうしようか迷ってるんだよねぇ」
その言葉に思わず愛空さんの目を見た。にっこり笑って何も知らないかのように「どうしたの?」と聞いてくる。
「女と付き合いたい欲解消出来るじゃないですか。そのままオッケーしてゴールまで突っ走ってください」
「えっ思ってた解答と違うんだけど」
え?逆に何を期待してたの?
私より不乱蔦さんの方が色々と(経済面とか女子力とか)勝ってるから良いじゃん、付き合えよ勝手に。
「あの子イマドキのJKって感じで可愛いし、他の男どもに目移りするかもしれませんけど付き合ったら一途に愛してくれるかもしれないし、家事は苦手そうだけど手料理とか得意だったり」
「待って。ストップだAちゃん。それ以上その子の情報を開示しなくて良い」
目の前に大きな手が出され制された。何故か複雑そうな顔をしている。
「何で?不乱蔦さんのこと気になってるんですよね」
「確かに顔は可愛いけど脳裏にあの会長が出て来てちょい厳しいかな」
「じゃあ最初から不乱蔦さんを視野に入れんなよ。あのハゲ含めて彼女の家族全員養えるくらいの漢気背負ってから質問しろ」
「真っ当な解答だな」
「そうだな全くその通りだ」と適当なレスポンスを返す愛空さん。
でもあの子と付き合うってなったらあのハゲを攻め落とすこともしなきゃ行けないんだよな、結構過酷な道のりっぽい。
「少しは「え、私がいるのに?」みたいな感じになると思ったのにな」
「人の恋路邪魔するほど野暮な神経してないんで」
「そういう事じゃなくて、嫉妬するみたいな女の子特有の可愛い感じのさ、あるじゃない」
「毛程も興味無え男になんで嫉妬しなきゃいけないんですか?」
「今俺、金属バット持ったAちゃんにフルスイングで後頭部ぶっ叩かれた気分」
そんなもんに頼らずとも拳一つで昏倒させられるけど。
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シナモン - とても面白かったです‼士道最高でした‼ (11月23日 10時) (レス) @page36 id: 8b3e9c667d (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - いつまでも応援してます (10月28日 18時) (レス) id: 76125fe83b (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - 面白かったです!!すごく!文才を感じました! 是非また更新してくださると嬉しいです!! 応援してます! (7月27日 1時) (レス) @page36 id: c33439ae2b (このIDを非表示/違反報告)
羽鶴(プロフ) - もしかして更新終了してしまいましたか…? (6月23日 23時) (レス) @page36 id: fcd2bda98b (このIDを非表示/違反報告)
ペペのん - え……お…終わり!?でも、この作品とっても面白かったです!! (6月23日 18時) (レス) @page36 id: 97854132f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Nny。 | 作者ホームページ:
作成日時:2023年3月23日 0時