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「(あ、凛だ)」
幼馴染の弟、凛。彼も私たちの、というか私の姿を見て目を丸くして呆然としていた。手をヒラヒラ振ってみると気付いた凛がハッとして、睨むように私を見つめる。
え、そんなにこの
「え〜〜凄いアガる!まさに便所に咲いた二輪の花!」
「最悪な例えすんなよ蜂楽……」
「あはは、何ソレぇっ面白〜い!」
「ふ、2人ともスゴイ格好……まさかこれは何かの罠!?」
「面白い、ならばこの 俺 が看破してやろう」
「え〜〜そんなんじゃないですよぅ♡」
凄え。不乱蔦さんの会話乱入スキル凄え。
出遅れてしまった私は立ち尽くす。多分私が同じように「ヨロシクお願いしますぅ〜」なんて突っ込んでいった暁にはこの部屋を極寒の地に変えてしまう事だろう。
「あ、そうそうっお茶でしたねっ」
私からバックを引っ手繰ろうとするもバカみたいに重いせいで上手くいかず。不乱蔦さんの意図を察した私は黙ってバックを下ろし、彼女の側に置いた。
「いっぱいドリンクあるのでお好きなものを持ってってくださいっ」
私に何も礼を言わず普通に彼らに向かって話し始める不乱蔦さん。その態度に「おや?」と言ったような感じになった彼ら。
まあ良いかと部屋の隅に移動。終わったらバック持って帰らないとだし待機しよう。
「いつものスポドリと〜、麦茶と〜、ミネラルウォーターもありますぅ!」
笑顔で話し続ける不乱蔦さん。座るとちょいスカートの中身見えちゃうぞ〜とか傍観しながら考える。
「俺麦茶も〜らい!」
「あ、俺も……!」
「 俺 は勿論ミネラルウォーター 一択だ」
「俺も水かなぁ」
「うんっ!どうぞどうぞ〜!」
バックへ集まってきた4人。しかし彼らの動きが同時に止まった。
何故か一斉に私へ視線が向けられる。
「え?」
「え?お姉さん、この量1人で持って来た?」
「あ、うん」
「お、女の子なのに凄い力持ち……!!」
「華奢に見えてパワフルなその肉体……実にオシャだ!」
「スゲェ……俺でもちょいキツいかも」
「マジすっげえ!お姉さん名前は!?」
ワラワラ話し出した選手たち。
うわ急に寄ってくるじゃんとか思いながら口を開く。
「あ」
「蒼風せんぱいですぅ!私は不乱蔦萌江って言いますっ!」
私の声をアッサリ遮り「気軽に「もえ」って呼んでくださぁい♡」と言う。いつも通りの態度にブレねえなと感心してしまった。
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シナモン - とても面白かったです‼士道最高でした‼ (11月23日 10時) (レス) @page36 id: 8b3e9c667d (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - いつまでも応援してます (10月28日 18時) (レス) id: 76125fe83b (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - 面白かったです!!すごく!文才を感じました! 是非また更新してくださると嬉しいです!! 応援してます! (7月27日 1時) (レス) @page36 id: c33439ae2b (このIDを非表示/違反報告)
羽鶴(プロフ) - もしかして更新終了してしまいましたか…? (6月23日 23時) (レス) @page36 id: fcd2bda98b (このIDを非表示/違反報告)
ペペのん - え……お…終わり!?でも、この作品とっても面白かったです!! (6月23日 18時) (レス) @page36 id: 97854132f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Nny。 | 作者ホームページ:
作成日時:2023年3月23日 0時