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3人の追い討ちを食らい、とうとう不乱蔦さんは逃走した。「アンタのこと、絶対許さないからっ!!」と捨て台詞を残して。
そして残された我々の間に流れる空気も生温かいものである。
「………ホントまじゴメン、1stクリアチーム。邪魔した上に変な空気にさせて。私ももう行くよ」
溜め息を吐き出し、立ち上がって保冷バッグを持ち上げそう呟いた。脳裏に過るのは今後の彼女に対する対応である。
「アンタが謝ることじゃねえだろ。謝るんならあのブス引き摺ってまたここに来い。そんでブスに土下座させろ。許すつもりねえけど」
「出来ねえから私が謝ってんだよなぁ。土下座させたんなら流石に許してやれよ、そういう所だぞ凛。庇ってくれたのと英語教えてくれたのは助かった。ありがとね」
「え〜〜〜もう行っちゃうの?ヤダヤダもっと居てよぉ、俺王様ゲームとかやってみたいんだけど!そんで王様になってAちゃんにエグい命令とかしてみたい!!」
「サボんな英語の勉強しろ。あと私に命令できる確率1/5だし私以外全員男だぞ、外れた時の被害尋常じゃ無いだろ」
「オシャメイド、お前は気高い人間だな。あのように我の強い後輩を持っても荒ぶる事なく対応する姿、実に素晴らしい。いつでもここへ来てくれ、歓迎しよう」
「私が暴れ散らかしたら簡単にあの子吹き飛んじゃうから落ち着いてるだけだ、いや謙遜とかじゃなくてマジな話」
「その、あなたが単体で来るのは全然構わないというか、なんか落ち着くからまた教えにきてくれると嬉しいなって……うわぁぁ今の俺凄い気持ち悪い!?!?」
「いや、そう言って貰えて嬉しい、有難う時光。でも私まっったく教えられないから足手纏いが1人増えるだけだぞ」
「Aさん、あの人のせいで凄いストレス溜まってそうですね……大丈夫ですか?またいつでもここに来てください。貴女だけなら俺も歓迎します」
「有難う潔、私は大丈夫。さっきの言動見た感じお前の方がエッッッグイくらいストレス溜まってそうだけど」
不乱蔦さんとの態度の差がエグいな1stチーム。まあこんなところでナヨナヨしてる奴が世界一のストライカーとやらになれるかと言われりゃ微妙かもだけど。
「じゃあね」
開いた扉の先で振り返り、ヒラヒラと手を振った。
返してくれたやつと見てるだけのやつ。個性豊かで面白いね。
……さて。不乱蔦さんに頭でも下げに行くか。
あでぃしょなる・めいど! 〜完〜
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シナモン - とても面白かったです‼士道最高でした‼ (11月23日 10時) (レス) @page36 id: 8b3e9c667d (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - いつまでも応援してます (10月28日 18時) (レス) id: 76125fe83b (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - 面白かったです!!すごく!文才を感じました! 是非また更新してくださると嬉しいです!! 応援してます! (7月27日 1時) (レス) @page36 id: c33439ae2b (このIDを非表示/違反報告)
羽鶴(プロフ) - もしかして更新終了してしまいましたか…? (6月23日 23時) (レス) @page36 id: fcd2bda98b (このIDを非表示/違反報告)
ペペのん - え……お…終わり!?でも、この作品とっても面白かったです!! (6月23日 18時) (レス) @page36 id: 97854132f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Nny。 | 作者ホームページ:
作成日時:2023年3月23日 0時