【糸師凛】ママを捨てたお父さんはいつも何を考えてるのか分かんない。

9、「いらいらいら」 ページ9

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次の日もタイヨウさんさん。
あおいおそら！くもはちょっとある！トリがとんでる！

あと、たくさんのみどり！！


　


「おやまびより！！」

「言ってる意味分かんねえけどトレーニングするには絶好の日だな」


　


「おやまもち上げるの……？」

「鍛えんのは筋力(そっち)じゃねえ」


　


よく分かんないね。


　


おやま、もうちょっと先だった。

クルマの中でリュックの中に手をつっこんでゴソゴソしてさがす。



「アメあったのにない……」

「玄関に置きっぱだった」

「アメ……」

「後ろに置いてある。ちゃんと確認してから出ろって言っただろ」



そうなんだーっておもって、「ありがとー」って言う。

そしたら「アホ」って言われた。



あほ……


　


「あのねえ、おやまでいっぱいケガしてもダイジョウブなようにねえ、バンソウコウいっぱいもってきた！」

「絆創膏持って来る前に怪我しねえ努力をしろ」

「お父さんのぶんもあるよ！」

「俺は絶対そんなヘマしねえから要らねえ」



クルマのとびらのところにヒジをつけてめんどくさそうにうんてんするお父さん。


うんてんキライなの？


　


「お父さん、あのね、えっと……つかれたらね、私ががんばってうんてんするね」



「小学生に運転させるくらいなら過労死覚悟で運転するわバカ、変な気遣いすんなクソガキ」


　


「別に疲れてねえ」とお父さんが言う。

ならなんでそんなふうなんだろう。



「お父さん」

「何」

「なにかイヤなことある……？」


　


「クッッッソ渋滞してんのが死ぬほどウゼェだけだ」


　


たしかに今日は日ようび。

まわりを見たらクルマの中で、たのしそうにオシャベリするかぞくが見えた。



「こうそくどうろ」って言うんだって、ここのみち。



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