▼ 青い監獄に愛され狙いが出現した【ブルーロック】

【閑話休題】伝説と化したメイドの話 ページ18

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それはU-20日本代表戦前の、レギュラーを賭けた適性試験にて。

ポケットの中に入れておいたスマホが鳴り出した。
必殺仕事人のメロディーと、画面に表示された短い文。



［ バトルフィールドにて乱闘勃発 直ちに鎮静化させろ ］



＿＿＿＿マジかよ。

スカートが翻るのも構わず、目と鼻の距離にある現場へと駆け出した。


　


マジであった乱闘騒ぎ。
現場にいた選手たちは暴れ回るそちらに夢中で、部屋に入ってきた部外者に気付く様子はない……と思ったけど、傍観に徹している数名は私に気付いたらしい。

該当者は当たり前だが私に気付いていない。そんな彼らを止めようと数名の選手たちが押さえつけているがそれでも止まる様子のない2人の間に向けて持っていたモップをぶん投げた。



「止まって」



その言葉に2人が同時にこちらを向く。
1人は「あ"ぁ？」と興を削がれ明らかにブチ切れた様子で、もう1人は私を見た瞬間驚いたように目を丸くしていた。構わず私が近付けば、周りから「誰だアレ」とか「何でメイドが……？」とか色々聞こえてくる。



「暴力行為は禁止。ゲーム終わったんならさっさとフィールドから出てけよ。無駄な仕事増やさすな」

「うるせぇ誰だテメェ、部外者が首突っ込んでんじゃねえぞクソメイドォ！」



鎮静化だよね。
止めろって事だもんね。



そう納得させ、止めきれずこっちに向かってきた男を真正面で視界にとらえる。確か名は「士道龍聖」。要注意人物だった。

「危ねえ！！」って声、それって私に向けられてるのかな。



手加減一切無しな右ストレートを見切って躱し、そのままの勢いで回転し後ろ回し蹴りを士道の顎にヒットさせる。
人体の急所に当たり、まともにカウンターを食らった士道は崩れ落ちるように地面に転がった。


多分暫くは動けないはず。
軽〜〜〜くやった、と思うから大丈夫。多分。



「す、凄え……」

「え……メイド強。やばすぎ」

「だ、誰？すげー強」

「なんやあの非凡なメイド」



なんやかんや聞こえてくるけどそれよりもう1人だ。

士道とガチ喧嘩していたもう1人、私がよく知る幼馴染の弟、糸師凛。


　


「A、さん……？」

「何やってんだよ凛」


　


まさかお前が乱闘騒ぎ起こしてたのか、と。
思わず呆れたような声で名を呼べば凛の表情が変わったような気がした。


とりあえず任務を果たすべく凛に近寄れば、押さえつけられたままの状態でこちらを見ていた。



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