第45話「我が名はメイド、そして貴方は」 ページ45
.
落ちた。
紐なしバンジーイコール死。
「ア"ーーーッッ」
汚ったない叫び声を上げて落ちていけば、やがて緑と灰色が目に映った。落下地点は灰色。待ってちょっと待ってあれはコンクリでは？
死ぬ死ぬ死ぬ死なんけど死ぬ！！！とめちゃくちゃな動きで頭から落ちないように体を丸めた。三度目の死は頭パッカーン死なんて冗談じゃない！！
結果、尻から着地した。
私の尻、痛めつけ過ぎたからかもうそろそろ二つに裂けそう。
痛む尻を手で摩りながら、震える足でなんとか立ち上がる。
やっぱり地面はコンクリートで、周りは自然に囲まれた風景が広がっていた。
わー綺麗。屋敷の近くに森があったけどそれ以上。
というかここ、山の中では？？
「………えっ、どこよここ？？？」
運命よ、私を弄び過ぎでは。
知らない土地に落とされ、しかも山の中の道路だからか車の通りが一切ない。いきなりハードモード過ぎじゃない？ポツンと立った一軒家でも探しに行けば良いの？
呆然と突っ立ったまま考える。
今気付いたが着ていた服はボロボロだった。こんなん放浪者と勘違いされるじゃんね。
その時、前の方から光が見えた。
耳をすます。あれは車のエンジン音。天は私に味方した！！
「わーーすみません止まってってってアーーー！！！」
車の前で猛進して行ったら割とスピードが出てたので危うく轢かれかけた。ギャギャギャ！！と急ブレーキをかけて止めてくれたドライバーさんは私と違って命大事にをモットーにしてる人だろう。
「だ、だっ大丈夫ですか！？」
そして飛び出してきた私のせいで急ブレーキをかける羽目になったドライバーさんはなんと、私の身を案じて車から出てきた。
大丈夫かってこっちのセリフですよ、モーター焼き切れてイカれなかったですか？
すみません飛び出してきて、とこちらに来てくれたドライバーさん(メガネかけた男性)に頭を下げれば、彼は戸惑ったかのような顔をして私を見ていた。
「どうしてこんな山道に」
バタン、と背後で音がした。
2人いたのか。えへへ、とドライバーさんに笑みを浮かべて誤魔化しながら、ふと後ろを振り返る。
「＿＿＿＿＿＿＿ A？」
目が合った。
……目が合った？
黒の目隠しを付けた、背の高い男性。
彼は私を、私の名を呼んだ？
「………え？どちら様？」
目を隠した背の高い不審者は、私の知り合いにいませんけど。
To be continued … … ?
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1259人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ツナ(プロフ) - 話しの内容がすごく好きでした (2021年1月2日 20時) (
レス) id: 60d9289c8a (このIDを非表示/違反報告)
腐りかけの果物(プロフ) - どうもこんばんは、見直してたら腐りかけの林檎が出てきて改めて私の名前と一致かと思いましたが私の場合果物でした (2020年12月8日 20時) (レス) id: 4dd29108fd (このIDを非表示/違反報告)
なて(プロフ) - 給料どんどん減ってくの好きです。 (2020年12月7日 19時) (レス) id: e2a15ae5f0 (このIDを非表示/違反報告)
ことこと - もう、pixivで書いてきたらどうですか・・・ (2020年12月2日 17時) (レス) id: 360ee8aa85 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 一章完結おめでとうございます！！最後泣きました！2章がどうなっていくのかが楽しみです！！ (2020年11月22日 15時) (レス) id: af1bba7450 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Nny。
| 作者ホームページ：
作成日時：2020年11月15日 10時
