第25話「初めましての感情」 ページ25
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「ハ〜スッキリ。実を言うと3回くらいもらしかけたんですよぶっちゃけ」
「ンな事ぶっちゃけられて俺は何返せば良いんだよ」
「よく我慢できたねって褒めてほしい」
「ここ飲食店あんのかな」
「めちゃくちゃ無視するやん」
スタコラと店の方へ歩いて行った彼を追いかける。
財布は彼の手にあるので私も何食おうかなと屋台を見て考える。
「悟お坊ちゃま、たこ焼きとか売ってますよ」
「ふーん。美味いの?」
「アッ……」
そっか。こういう庶民メシ食べた事ないか。
身振り手振りで「すげー美味いですよ。ほら、タコが入って、丸いし、あの、青ノリが凄いです」と説明したら「何一つ情報が入ってこねーんだけど」と言われた。私に説明を求めた君が悪い。
「ならそれ」
「良いの?よく考えな、後で要らないって言っても知らないからねアタシは」
「うっせえババア擬き」
反抗期のクソガキみたいなこと言いやがって。
やっぱりこういう屋台を初めて見たのか、心成しか目をパチパチさせて見ている。
しっかし、だからと言うかなんというか、悟お坊ちゃまは注目されてるのか周りでジロジロ見てくる輩が多い。
私も私でしっかり従者の格好(和服)を着てるので二倍である。バフだったら嬉しい効果だった。
「一々気にすんなよ。無視しとけ」
「は〜〜、絶世のイケメンくんは言う事違いますね。やっぱ自覚してんのか顔が良いって。妬まし男」
「犬、あーん」
「バッカそれアッチアチのアチじゃ、オ"ッ!!!」
口にアツアツのたこ焼きをぶち込まれそうに咄嗟に避けようとしたら口端に掠った。
えっマグマ?溶岩的なの押し付けられたの今?
お坊ちゃまは悪ガキのように笑ったあと、自分も一口食べていた。
「………」
「いかがですかお坊ちゃま。初たこ焼きの感想は?」
「………普通」
「ッスよね〜〜」
あんまり「うんまァい!!!」とか叫ぶタイプじゃないもんなこの子。
めちゃくちゃ綺麗な動作で黙〜〜って食べてるお坊ちゃまを見て納得。育ちの良さが丸分かりじゃないの。あっふーふーした可愛い。可愛いお坊ちゃま。
またたこ焼き(アッチアチのアチ)を押し付けられた。
読心術でも使えるのか貴様。
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ツナ(プロフ) - 話しの内容がすごく好きでした (2021年1月2日 20時) (レス) id: 60d9289c8a (このIDを非表示/違反報告)
腐りかけの果物(プロフ) - どうもこんばんは、見直してたら腐りかけの林檎が出てきて改めて私の名前と一致かと思いましたが私の場合果物でした (2020年12月8日 20時) (レス) id: 4dd29108fd (このIDを非表示/違反報告)
なて(プロフ) - 給料どんどん減ってくの好きです。 (2020年12月7日 19時) (レス) id: e2a15ae5f0 (このIDを非表示/違反報告)
ことこと - もう、pixivで書いてきたらどうですか・・・ (2020年12月2日 17時) (レス) id: 360ee8aa85 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 一章完結おめでとうございます!!最後泣きました!2章がどうなっていくのかが楽しみです!! (2020年11月22日 15時) (レス) id: af1bba7450 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Nny。 | 作者ホームページ:
作成日時:2020年11月15日 10時