第3話「人権剥奪」 ページ3
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私の1日は低血圧故にいつもキレ気味な悟お坊ちゃまを起こす事から始まる。
これがもう朝っぱらからストレス溜まりまくりである。若いうちにハゲたら絶対コイツに育毛剤買ってもらう。
グッスリ眠った様子の彼に「起きてください朝ですよお坊ちゃま」と声をかけてから問答無用でゆさゆさ揺らせば、人を殺す際覚悟を決めた時のような目で私を見てきた。
「お前の収入ししゃもに変えてやる……」
「悍ましい事言うなや」
せめて焼いて。いや違う、封筒から香ばしい香りがする給料なんて嫌すぎる。
彼の枕元で正座をしていたが早々に止める。足が痺れた。
胡座をかいて大きな欠伸をこぼせば「再来月のお前のボーナス泥団子な」と言われた。最早食べ物ですら無い。
「起きてくださいよ悟お坊ちゃん〜〜。聞き分けの悪い子はメッッですよ」
「朝から鳥肌立つような事言うな低脳」
「はいはい売買言葉」
「お前みたいな空っぽ頭が羨ましい。寧ろ生きやすいよう自学的に進化を遂げたのか。そのまま愚直に突き進んで温暖化を止めて来いよ」
朝から凄え罵倒してくるんだけどこのガキ。低血圧故なの?
あとどうやって温暖化止めるの?
太陽の前で私が木っ端微塵に爆散すればいける?
「悟お坊ちゃま、今日親族様方の集まりですよ」
「お前も来い」
「申し訳ありませんが、五条家その他親族以外立ち入り禁止なので無理です」
「ペットなら許されんだろ」
「ごめんねぼく、見ての通りわたし人間なの」
「犬が人の言葉喋んなよ」
「頑なに人権を尊重してくれない。ついでに言えば前覗き見しようとしたらご親族に殺されかけました」
「ああ、あの屠殺直前の鶏みたいな汚い鳴き声はお前だったか」
「目ぇしっかり合ってましたよね??私の片思いで無ければバッチリ目と目が合ってましたよね???」
漸く布団から起き上がり伸びをするお坊ちゃま。
動作すら美しいが普通に無視すんなやコラ。
「お前、あいつらに目ぇ付けられてるよな。怖くねえの?」
「給料減らされる方が怖い。給料怖い」
「饅頭みたいに言ってんじゃねーよ」
何だこのガキ知ってるのか。
「服」と一言だけ言ってきたので「は〜いバンザーイ」と彼の両腕を掴んで持ち上げたらヘッドバッドを食らった。こいつ女相手に容赦無い。
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第4話「機嫌は常に下降気味」→←第2話「主人は凶暴なジャイ○ン」
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ツナ(プロフ) - 話しの内容がすごく好きでした (2021年1月2日 20時) (レス) id: 60d9289c8a (このIDを非表示/違反報告)
腐りかけの果物(プロフ) - どうもこんばんは、見直してたら腐りかけの林檎が出てきて改めて私の名前と一致かと思いましたが私の場合果物でした (2020年12月8日 20時) (レス) id: 4dd29108fd (このIDを非表示/違反報告)
なて(プロフ) - 給料どんどん減ってくの好きです。 (2020年12月7日 19時) (レス) id: e2a15ae5f0 (このIDを非表示/違反報告)
ことこと - もう、pixivで書いてきたらどうですか・・・ (2020年12月2日 17時) (レス) id: 360ee8aa85 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 一章完結おめでとうございます!!最後泣きました!2章がどうなっていくのかが楽しみです!! (2020年11月22日 15時) (レス) id: af1bba7450 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Nny。 | 作者ホームページ:
作成日時:2020年11月15日 10時