私、悟お坊ちゃまの専属メイドです。【呪術廻戦】

第12話「それは逢引」 ページ12

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目の前に観覧車。
あれ目の錯覚か。


あれなんでいつの間にこんなとこ、あれ？田んぼは？



「アホ面晒してねーで行くぞ」

「アリスインワンダーランド、つまりここはワンダーなランド」

「おい」

「アッハイ」



悟お坊ちゃま足速い。
サッサと歩いて行く彼を駆け足で追いかける。


寂れかけの遊園地。人は疎らにしかいない。というか一々鉄柵が錆びてる。えっこれ触ったら捥げちゃうのでは？



「閑散としてんなぁ」

「なるほど、廃墟趣味的なアレを嗜んでるんですねお坊ちゃま」

「しょうもねー勘違いしてんじゃねーぞお前」



脛を蹴られた。マジ容赦ないなこいつ。まあ流石にご主人様的なものなので反撃はしない。代わりにでかい舌打ちをこぼす。



「因みにここは」

「一ヶ月後閉園予定のバブル崩壊と共に幕を下ろす遊園地」

「わ〜説明がいかにも廃墟マニアっぽーい」



的確に同じところを蹴られた。こいつやるな。

悟お坊ちゃまはずんずん突き進んで行く。そしてとあるアトラクションの前に止まった。



「ここだな」

「はいいってらっしゃいませ。私はチュロスでも買ってきます」

「お前も来んだよ来い」

「嫌だよこんな古びたジェットコースター！！完全に年老いてんじゃんこれ、天辺から転がり落ちる予想しかできない！！！」



腕を掴まれたが必死に抵抗。
あんなん落ちる未来しか見えん。ジェットコースター錆まみれじゃん全然手入れされてないじゃん、私でも分かる、これは落ちるやつ！！！



「駄々捏ねてんじゃねーよ！！」

「こねるわこんなん命に関わるわ！！！」

「あそこに監視員いんだろ大丈夫だって」

「あんなヨボヨボのおじいちゃんがジェットコースター操作してんの！？！？」



両手で湯呑み茶碗包み込んでんじゃん！！
あれ絶対ジェットコースター落下しても「はて……？」みたいな感じでスルーしちゃうよあれ！！



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