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はて、“呪いの子供”とはなんだろう。ラギー先輩は聞いたことあるようだが、生憎僕にとっては聞き覚えのない言葉だ。
首を傾げれば2人は驚いたように目を丸くした。
｢ええ、キミ知らないんスか？結構前の話ッスけど、とある魔法士がこれまたとある国に生まれた王子様に呪いをかけたんスよ｣
｢その王子が翌年行方不明になったってんだから、国は大騒ぎ。そしてある時誰かが言った。強い魔法士に目をつけられた哀れな“呪いの子供”ってな｣
｢ほぇ〜、そんな話があるんですね。でも本当にそれが僕となんの関係があるんですか？｣
能天気そうにそう言う僕に、レオナさんは呆れたようにため息をつく。
｢その子供からはジャスミンの香りがしたと言われてる。朝お前からはその香りがした。ここまで言えば分かるか？｣
｢……つまり、僕がその“呪いの子供”だった言いたいんですか？｣
そう聞いても、答えは返ってこない。でも、きっとそうだと思っているんだろう。
｢あはは、そんなわけないじゃないですか。僕の家にはジャスミンが飾ってありましたし、体に染み付いてるんじゃないですか？｣
スン、と腕の匂いを嗅いでみるが、いつものいちごの匂いしかしない。うん、やっぱりレオナさんの気のせいだ。
｢獣人って鼻がいいらしいじゃ──｢A！！｣──ぅえ、リドル先輩？｣
僕の言葉を遮って現れたのは、僕が敬愛してやまないリドル先輩だった。リドル先輩は、自分の体を盾にするかのように僕の前に立つ。
｢キミがラギーに植物園に連れていかれたとケイトが教えてくれてね。心配で様子を見に来たんだ｣
｢ﾎﾟｧ｣
心配されたという事実が嬉しくて変な声が出るが、リドル先輩はそんな様子も気にせずレオナさん達に詰め寄っていく。
｢Aに何もしていないだろうね？｣
｢……チッ。邪魔が入ったな。……何もしてねぇよ、ただの話だ｣
悪びれずそう言うレオナさんにリドル先輩はまだ疑わしそうにしている。というかこのままじゃ首チョンパしちゃいそう。
慌ててリドル先輩の腕を引いて、こっちを向かせる。
｢リドル先輩、大丈夫ですから！何もされてないです！ただの会話！お話！あー楽しかったなぁ！｣
｢……なら、キミの言葉を信じよう｣
殺気がなくなった事に安堵のため息が出る。良かったぁ。
リドル先輩に腕を引かれて植物園を出る前にぺこり、と頭を下げておく。
そのままリドル先輩と寮に帰った。
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ゆる(プロフ) - ほんとに面白いですね!続きが楽しみです!無理のない程度で更新がんばってください!応援してます! (2023年1月1日 0時) (
レス) @page27 id: 6719ad2600 (このIDを非表示/違反報告)
時雨ですな(プロフ) - めちゃくちゃおもしろいです！更新頑張ってください！！ (2021年6月23日 7時) (レス) id: 9e0511f770 (このIDを非表示/違反報告)
ロイミー(プロフ) - つみきさん» ありがとうございます！励みになります、頑張ります！ (2020年6月7日 14時) (レス) id: 6a770a8d65 (このIDを非表示/違反報告)
つみき - 続編おめでとうございます！お話がすごく好きで、引き込まれます。頑張ってください！ (2020年6月6日 22時) (レス) id: da29838e5a (このIDを非表示/違反報告)
ロイミー(プロフ) - りいなさん» ありがとうございます！更新頻度は下がりつつありますが精一杯頑張ります！ (2020年6月6日 21時) (レス) id: 6a770a8d65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ロイミー | 作成日時：2020年6月6日 20時
