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「エース、起きて!遅刻するよ?」
「んん…………ねみぃ……………………え、天使?」
「は?」
「え、あー、うそうそ。おはよ、A」
何回目かの呼びかけで、ようやくエースが起きる。ちなみにデュースにも天使?とか言われました。もう1人の同室のモブくんは言わなかった。優しいいい子。
「エース、着替えた?」
「何、待ってくれんの?あ、もしかして俺と学校行きたい?」
「ううん、1人で行くよ。部屋にぼっち可哀想だなって思って待ってたけど平気そうだし置いてくね」
「…………お前、意外と言うよなぁ」
エースの呟きを聞き流しつつ、踵を返して寮の入口まで行く。
「確か………学校までの道は…鏡を出て、メインストリートに出て……」
そう呟きながら、ハーツラビュルの鏡を抜ける。辺りを見渡すが、人は誰もいない。
「(危ないって分かってる……………けど、僕は早く法律を覚えちゃいたいし…!!)」
心の中で言い訳を並べながら、カバンの中から全810条のハートの女王の法律が全て書かれた本を取り出す。
「(うーわ、びっしり……これ覚えたの、リドル先輩さすがだな…)」
分厚めのそれを、パラパラっと捲る。一通り目を通すと、色々なことが定められていた。
ケーキの種類、ろうそく、薔薇の色。それら全てが完璧な『何でもない日』のパーティを開催する為の法律だということが分かる。
「『何でもない日』って何だ──んぶっ!!」
「あ?」
「どーしたんスか、レオナさん?──って、誰ですか、キミ?」
「あぅぁごめんなさいぃ……!」
最悪だ。分かってたはずなのに、本に夢中で前を見てなくて人にぶつかったとか、女王の法律以前の問題だ。
「レオナさん知り合い?」
「鏡に寮選ばされた奴だ。そういやお前、赤毛の坊っちゃんとはよろしくやってるみてぇだなァ?」
赤毛の坊っちゃん?僕が知ってる赤毛はリドル先輩だけだし、リドル先輩かな。今までのリドル先輩の行動を思い返す。
「ですね、よくしてもらってます」
「多分そういう意味じゃねえッスよ。だってキミ、あれでしょ?見たッスよ、マジカメ」
今マジカメと聞いて思い当たるのは一つだけだ。間違いなく、ケイト先輩のあの投稿のものだろう。バズったと言っていたし、この学園の人は大体見たんじゃないだろうか。
「(……出会う人全員からの第一印象先輩の手の甲にキスする生意気な奴だったらどうしよう)」
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棗(プロフ) - ロイミーさん» いえいえ!こちらこそこんなに面白いお話を読ませていただかせて本当にありがとうございます!これからも更新頑張ってください!応援してます。 (2020年5月23日 7時) (レス) id: bb5b41793a (このIDを非表示/違反報告)
ロイミー(プロフ) - 棗さん» わざわざありがとうございます!パソストのあの部分声に出してると思ったのでその描写をしたのですけどやっぱり変ですかね……色々修正してみます…。貴重なご意見ありがとうございました! (2020年5月23日 1時) (レス) id: 6a770a8d65 (このIDを非表示/違反報告)
棗(プロフ) - 結構最初のエースが鏡の前にたっているところです。さすがにお兄ちゃんのことまでは読唇術では読み取れないのではないか…と思いまして、、、考えすぎだったらすいません(><) (2020年5月22日 21時) (レス) id: bb5b41793a (このIDを非表示/違反報告)
ロイミー(プロフ) - 全然大丈夫です!^^* ご指摘の件ですが、1度自分で全部目を通してみてもわからず、どこの部分か教えて頂いてもよろしいでしょうか……?? 更新嬉しみにして頂けて嬉しいです! (2020年5月22日 20時) (レス) id: 6a770a8d65 (このIDを非表示/違反報告)
棗(プロフ) - 文句を言っているようで申し訳ないですが、読唇術ではさすがに心までは分からないのでは無いのでしょうか?実際口が動いてなければ何もわからないですし…それならば読心術の方が良いのでは、と思ってしまいました。更新楽しみにしてます。 (2020年5月22日 19時) (レス) id: bb5b41793a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ロイミー | 作成日時:2020年5月15日 19時