58. ページ8
side S.S.
---------- -----
「俺だって、そばにいられないときはどうしてんのかなって気になるし。もし、雑誌とかで誰かしら一緒にいるんだったら元気かどうかちょっと確認するくらいでいいんだよ。ね、相葉ちゃん」
「リーダー…」
相葉くんが言いたかった事を大野さんは全部分かってたんだろう。
この人の鋭さにはもうほんと、頭が下がる。
「なるほどね…松潤どう思う？」
「うん…俺も、あのとき何もしてやれなくて悔しかったから。やっぱり、相葉くんの言う通りにしたい」
「うん、俺も」
俺も、賛成。
「みんな…ありがとう」
「こちらこそだよ」
相葉くんにお礼を言われたから、言い返して。
.
そういうわけで今日のやりとりがあったってわけ。
四人だけのグループメールを作ったんだけど、今日は偶然大野さんと俺の二人がニノに会うからどちらかだけが連絡すればいい。
大野さんから情報を貰えたから、俺が確認してメールすればいいって事。
.
前室に入ると、もう先に来ていた。
「あ、翔ちゃん、ちぃっす」
「うん、元気？」
あ、やべ、めっちゃ直球に聞いちゃった。
「何、元気だよ」
「そっちこそ、元気ですか？」
なんて…ふざけた感じで聞いて来るから、正直気が狂う。
「え…うん、俺は超元気」
「そか、よかった」
かと思えば、すごく切なそうに言ってくるから…本当に元気なのか見抜けない。
その後、すぐに呼ばれて撮影と取材に入った。
ニノはいたっていつも通りで、本当に熱あったのかな…なんて思ってしまうほど。
薬が効いてんのかな。
それとも…やっぱり大野さんしか信用してないのかな。
なんでそう考えるかって、ニノの事は大野さんに任せっきりみたいな感じだったからここ一年くらいはあの二人が一番一緒にいたでしょ。
大野さんだけが知ってるって情報は多々あったと思う。
何も行動に移せなかった俺が悪いんだけど、嫉妬してしまう自分もいる。
はぁ…
「どした？どこか辛い？」
「え…全然？」
「ため息ついたじゃん、珍しい」
「ついてた？」
「ふふ、気づいてないの？もう、しっかりしてよ！」
そうだ、今は撮影中だ。
私的な事を考えてる場合じゃない、今は仕事に集中すべきだ。
そして、ニノは最後の最後までいつも通りだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 172人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：美菜子 | 作成日時：2018年6月29日 23時
