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side S.O.
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起こしたくはなかったんだけど、なんか段々苦しそうな唸り声が聞こえるようになったから起こすことにした。
時間が迫ってきてたって事もあったし。
ニノは寝起きがいい方だから起こしたら直ぐに会話できた。
取り敢えず、体温でぬるくなってしまったタオルを水でひやして、元あった場所に戻してやる。
「つめたっ…」
「ごめんごめん」
「いいの、ありがと」
どれくらい熱出てんだろ…そう思って、何度あるか分かるわけもないのに額に手をやった。
「っ…」
「あっ、ごめん、冷たかったね」
時期的にも水はかなり冷えてるから、俺の手も相当冷たかったのに…申し訳ない。
咄嗟に手を引いたんだけど、ニノは薄っすら目を開けて俺の手を掴んで自分の頬に当てた。
「冷たくて、気持ちいい」
「そ？ よかった。ところで熱何度くらいあんの？」
「分かんない」
「まじか」
まあ、責めるのはなんか違うからさ。
何で測ってないんだとかは言えなかった。
時計を見ると、そろそろ撮影の時間が迫ってきてて。
ちょっと待ってもらうか、中止にしてもらうか迷い始めたとき。
「平気だから。やれるから、お願い。ちょっとだけ待ってほしい…」
「えー…」
そんなウルウルした目で言われちゃダメだとも言えねぇよ。
「多分、もうすぐ薬効いてくるから」
「あ、飲んでたの？」
「うん、熱出たら飲んでくださいって言われたから、飲んだ」
「病院から出てたんだ…」
「何？飲ませてくれようとしたの？」
「それも考えたけど、なんかやばい事になったら怖いからやめた」
「ふっ…何、そんなちょっとやそっとじゃ何ともないって」
「でも何かあってからじゃ遅いし…そういう事は確認してからにしようと思って」
「ありがと」
取り敢えず、少し待ってもらうようにお願いしに行くか…
そう思って立ち上がろうとした時、ニノ付きのマネージャーがやってきた。
「あ…大野さん、おはようございます」
「おはよー。あ、ちょっとお願いが…」
「撮影なら、少し待ってもらえるよう頼んできました」
気が効くやつだなぁ。
感心してる場合でも無いんだけど、体温計や飲料水とか必要なもん揃えて持ってきてくれた。
サッと測った体温計に示された温度は俺にとっては微熱。
けどニノは平熱がかなり低いから相当辛いはず。
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作者名：美菜子 | 作成日時：2018年6月29日 23時
