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side S.O.
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ニノの入院中も時間が空けば病院に通っていたから他のみんなより久しぶりってわけではなかったけど、仕事の現場で会うっていうのはなんだか特別だ。
病室にいる限りはあまり動く事も出来ないし、時間がきたら帰らなきゃいけないし。
ニノが入院するまでみんな元気で充実した毎日ってのが当たり前になってしまってて、でもそんな毎日は本当に幸せなことなんだって実感させられた。
元気になってくれてなによりだ。
五人で楽屋入りしたのは随分と久しぶりで、感じるのは安心感。
いつも通りの日常ってかんじで、幸せだな、なんて。
──────けど、幸せな日々って言うのは大抵長くは続かないもんだ。
ニノが仕事に復帰してから、どこか少しでも辛くなったら遠慮なく言ってほしいと顔を合わす度に言い続けた。
大野さん、大げさ。
もう大丈夫だって何度も言ってるでしょーが。
そうやって、いつも交わされる。
しょうがないじゃん、心配なもんは心配なんだから。
現に俺が聞きださなかったら病院通ってた事も入院して手術してた事も言う気なかっただろうし。
そんなかんじで一人で全部なんとかしようとするところが、まあ…ニノらしいっちゃニノらしいんだけどさ。
ここ最近、精神的にも辛い事が多かったはずなんだ。
滅多に泣かないのに辛そうに涙するところを目にする機会が多かったから。
もう、あんな辛そうな顔して泣く姿は見たくないんだよ。
そういう意味も含めての言葉だったんだけど…
.
様子がおかしいなって思ったのは雑誌撮影日の事。
朝は例によって顔色が悪く、目が赤い。
きっと、遅くまでゲームでもしてたんだろうな…
それはまあ、いつもの事として捉えていたんだけど、前室でゲームもせずにソファに突っ伏して完全に寝てて、額には汗が少し滲んでいた。
この部屋、暑いか…？
暖房は入ってるけど、確認するといつもと同じ温度設定だし…
まさかと思って首に手をやると、予想以上に熱かった。
熱だしてるな、これ。
薬とか飲ませた方がいいかと思ったんだけど。
待てよ、手術とかもしたし、安易に飲ませちゃダメなんじゃないか？
やけに冷静にそう判断できた自分。
後に、この判断は賢明だった事を知る。
取り敢えず、汗を拭って水で冷やしたタオルを首に緩く巻いてやった。
唸り声が聞こえたけど、起きてないみたい。
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作者名：美菜子 | 作成日時：2018年6月29日 23時
