兄者おすすめDVD……兄者さん ページ5
息抜きに、映画を見よう。
そう言ったのは、どこの誰か。
ここにいる、眼鏡をしたまま私に寄りかかって寝ているこの大男だ。
確かに、ここ数日の兄者さんは寝る間も惜しんで、ずーっと楽しみだったんだ!と子供みたいにはしゃいでいたゲームを、やり込んでいたから疲れているだろう。
だから寝ることに関しては全く文句はない。
私も後ろで楽しんで見ていたし。
けど、こんなにえっちぃ映画を出して寝るのは非常に迷惑。文句も言いたくなって当たり前だ。
寄りかかって寝てるからリモコンも取れない。
空気が非常に気まずい。
「……絶対この映画のパッケージたわわだったな」
部屋に女の人の声が響く。
「……興奮してる?」
ニヤニヤと厭らしい笑みを浮かべながら聞いてくる兄者さんを見て、漸く確信犯の狸寝入りだと気づく。
「もー、バカ!」
私は抱えていたクッションを、兄者に向かって降り下ろす。当然兄者さんには何のダメージも与えられず再びクッションを抱え直す。
「もう止めるから!」
「なんだよ、こっから面白いんだろ!」
「……」
兄者さんの力説に流され続きをきっちりみる。
もう兄者さんのおすすめDVDなんて、絶対見ません。
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作者名:nnanjokei | 作成日時:2018年4月4日 15時