パーソナルスペース……おついちさん ページ15
冬空は雲一つない晴天。
そんな中、私はココアを飲みながら編集中のおついちさんの事を考えながらおついちさんが編集を終えるのを待つ。
編集作業中は例え部屋に自分一人だとしてもヘッドホンをしてるのが常。おついちさんも例外ではない。
そんな、嫌でも集中力が上がる状態を作られれば基より人並み以上に高い集中力はどこまでも持続し平気で5〜6時間放置されるのは当たり前。
「……とは言え、さみしい」
主のいないリビングに設置された、私専用化している一人用の小さなソファーに深く腰掛け、冷めたココアを飲み干し呟く。
少し、ほんの少しでもいい、おついちさんの顔がみたい。
そう思い、空になったマグカップを食卓に置き、リビングからおついちさんの部屋へ、ソッと移動する。
「あら」
流石に毎日毎日仕事終わりでも、撮影終わりでもノンストップで5〜6時間も動画を見るのは疲れたのだろう。
部屋を覗くとおついちさんは、ヘッドホンをつけたまま机に打伏せに寝ていた。
楽しいのはわかるけど、歳を考えて行動してほしい。
「……ベッドに行こう。なんて声かけたら、絶対起きる。かといって毛布をかけても起きそうな予感……。よし、放置かな」
「ちょっとそれ酷くなぁい?」
起こしたくない一心でリビングへ戻ろうと踵を返そうとした時聞こえてきたおついちさんの眠そうな一声。
一体いつから起きていたのか、わからないけど唯一わかるのはこの状況を、私は予想しきれなかったということ。
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作者名:nnanjokei | 作成日時:2018年4月4日 15時