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自然と身体がカタカタと小刻みに震え、瞳にも薄い膜が張る。
「言えないの?」
「ごっごめ、ごめんなさ……っ」
「……」
子供じゃないって仕掛けたトラップのはずなのに、子供みたいに泣きじゃくる私はやっぱり子供なのだと自覚せざるを得ない。
「どうしてそんな嘘ついたの?」
「……っただ、本気でおごられたがったっだけでっ。ご、ごめっなざいっ」
「……ほら、こっちにおいで」
手招きをされ、おついちさんの足の間に収まる。
優しく撫でてくれるおついちさんの手が、いつもの手に戻っていて、それがさらに涙を誘う。
「……僕は、Aのことがめちゃくちゃ好きだよ。それこそ目に入れても痛くないほどに。だからかな、ある程度のことは全然許せる。けど、俺から離れるってのは何だろう、膓煮えくり返るくらい腹が立った」
「……っごめんなさいっ」
「そんなに怖かった?」
頭を必死に縦に振る私を、おついちさんは小さく笑った。
「もうあんなこと言わない?」
「うんっ」
ぎゅーっと、これでもか!ってくらい強く抱きしめる腕が、微かに震えていることに気づく。
「もー、怒ってないから泣かないで!」
「……っ」
何でもなく笑ってくれる優しさが、私の幼稚な嫉妬を溶かしていく。
「……っごめ、なさ……い」
それは自然に出てきた謝罪の言葉。
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作者名:nnanjokei | 作成日時:2018年4月4日 15時