おつかれさま ページ43
それから轟くん、かっちゃんへメダルが授与され、オールマイトが口を開いた。
｢さぁ！今回は彼らだった！！しかし皆さん！
この場の誰にもここに立つ可能性はあった！！
競い！高め合い！さらに先へと登っていくその姿！！
次代のヒーローは確実にその芽を伸ばしている！！
てな感じで最後一言！
皆さんご唱和ください！！
せーの｢プルスウル｣おつかれさまでした！！！｣
...え？？
｢そこはプルスウルトラでしょオールマイト！！｣
｢あぁいや、疲れたろうなと思って...｣
疲れきった体も癒えた二日後。
この日は雨だった。
相変わらず、デクと一緒に電車に乗って登校していると...
｢ヒーロー科の緑谷くん！｣
｢え！？｣
｢体育祭良かったぜ！惜しかったなぁ！｣
電車に乗っている人たちが声をかけてきた。
｢ベスト8だっけ？かっこよかったぞー｣
｢意外と小さいねぇ｣
｢えぇ...ええぇ｣
デクがきょどっている。
体育祭の影響凄いな。ん？まてよ？てことは...
｢お！隣のフードの子、体育祭3位の万能ちゃんじゃね！？｣
やっぱり...
｢凄いかっこよかったよ！おじさんときめいちゃった！！｣←
｢うわ、本当に美人だ〜羨ましい...｣
と、わちゃわちゃしていたら、降りる駅まで来ていたので、そそくさとお辞儀だけしてデクと電車から出た。
あいにくの雨の中、私は傘を忘れていたので、校舎までデクの傘に入れてもらっていた。
ハズイ...//
｢朝から疲れた...目立つと録なことない｣
｢アハハ...。でも、ヒーローになるんだから、やっぱ避けては通れないと思うよ？｣
｢別に、相澤先生みたいなマイナーな感じのヒーローでいいし｣
｢けど、ポテンシャルも"個性"も高い能力のAちゃんが目立たないのは、少し無理があるんじゃ...｣
｢えー...｣
｢何呑気に歩いているんだ！遅刻だぞ！！
おはよう緑谷くん、万能くん！そして相変わらず仲良いな！！｣
｢カッパに長靴！！｣
そう言ってダッシュで現れた飯田くん。
てかこれは不可抗力というやつで...
｢遅刻ってまだ予鈴5分前だよ？｣
｢雄英生たるもの10分前行動が基本だろう！｣
｢基本なの？？｣
という疑問を持ちつつも、ダッシュした。
疲れた...
そういえば飯田くんのお兄さん...
デクが声を掛けにくそうに口を開こうとすると、
｢兄の件なら心配ご無用だ。要らぬ心労をかけてすまなかったな｣
......。
本当に大丈夫かな、飯田くん。
教室に向かう飯田くんの背中が、ひどく悲しく見えた。
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作者名：夢桜 | 作成日時：2019年3月20日 20時
