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『一時間程昼休憩挟んでから午後の部だぜ！じゃあな！！！』
休憩になり、私たちはみんなで食堂へ向かおうと歩き出した。
......あれ？
｢麗日さん、飯田くん｣
｢どうした？Aちゃん｣
｢先、行っててくれる？ちょっと用事思い出して...｣
｢了解した！万能くん、早めに来るのだぞ！！｣
｢分かった。ごめんねー｣
そう言って、私はその場を離れた。
私はさっき、デクがいないことに気づいて、この広いスタジアムの中をウロウロとさまよっていた。
すると、
｢あ、かっちゃん｣
｢！...Aテメェ...｣
｢ねぇ、デクどこ行ったか知らなングｯ...！？｣
聞こうとしたら、急にかっちゃんが私の口を押さえてきた。
え、何？やっぱ顔面から落ちて面白がってたのバレてた？←
｢ちょっと、一体なにす｣
｢個性婚、知ってるよな｣
この声...轟くん？
そっと角から覗くと、デクと何か話しているようだった。
え、かっちゃん立ち聞き？たち悪っ←
...何か最近、私かっちゃんに(特に心の中で)あたり強いな...ま、いいけど←
｢"超常"が起きてから第二〜第三世代間で問題になったやつ...自身の"個性"をより強化して継がせる為だけに配偶者を選び......結婚を強いる、
倫理観の欠落した前時代的発想｣
そう述べる彼は、淡々と静かに怒りのこもった声だった。
｢実績と金だけはある男だ...親父は母の親族を丸め込み、母の"個性"を手に入れた。
俺をオールマイト以上のヒーローに育て上げることで自分の欲求を満たそうってこった。
うっとうしい...！
そんな屑の道具にはならねぇ。
記憶の母はいつも泣いている...おまえの左側が醜いと母は俺に煮え湯を浴びさせた｣
それは、ぞっとするような恐ろしい過去。
｢ざっと話したが俺がおまえにつっかかんのは見返す為だ。
クソ親父の"個性"なんざなくたって......いや、使わず一番になることで奴を完全否定する｣
私は、それを聞いていて、なんだか無性に心がざわついた。
｢...少し、似てるな...｣ボソッ
そう、小さく言葉を漏らしていた。
かっちゃんが側にいることを忘れて。
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作者名：夢桜 | 作成日時：2019年3月20日 20時
