誓います。5 [ 緑∞ ] (ページ22)

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隆平side

朝ごはんの片付けを済ませると

｢ありがとうございました｣
ランドセルを持ったままぺこっと頭を下げた忠斗。

ちゃんとお礼言うんやでって
言われてるんやろけどこういう所はちゃんとしてる。

隆｢こちらこそ朝ごはんありがとうね｣
忠斗｢うん！また作る！｣
隆｢気ぃつけて帰るんやで｣

忠斗は｢めっちゃ近くやけどな｣って笑いながら帰って行った。

僕は身支度を済ませて
家を出ようとしたとき

ﾋﾟｺﾝ)

スマホが鳴って画面を見るとAちゃんからのLINE。

A『毎度毎度ごめんね、
いつにも増して嬉しそうに帰ってきたから
ええ事でもあったんかしら。』
隆『いえいえ、毎回楽しいし
忠斗の成長が見れて丸おじさん嬉しい限りです』

初めて歩いた日
初めて喋った日
初めて寝返りをうった日

その瞬間を見たわけじゃない。

だって僕は忠斗の親ではないから。

でも

ベビーベッドに寝る忠斗の手に
指をそっと当てると握ってくれた日
｢忠斗｣と呼んだらニコニコして
僕のところにテクテク歩いてきてくれた日
｢まりゅちゃ｣って呼んでくれた日
安心したのか僕が抱っこしたまま寝ちゃった日
泣き出してしまったときに
あやそうと思って変顔をしたら
めっちゃ笑ってくれた日

どれも鮮明に覚えている。

忠斗を大事に思う気持ちは

親には負ける。

けど

僕にとってかけがえのない

大切な子であることには変わりない。