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貴方の全てが ページ6

空が茜色に染まり始めた時、童子切の部屋の襖が開いた。


入ってきた本人、明石国行は、こんのすけに刀を向けた時とは違い、愛おしいものを見る目をしていた。


後ろ手で襖を閉めると、音をたてないようにゆっくりと入ってきた。






相変わらず童子切は、薄く目を瞑り、小さく寝息を立てながら眠っている。




伏せた睫毛の下には大きな影。雪よりも白い透き通った純白の肌。思わず接吻したくなる艶めいた妖しい唇。強く握ってしまえば折れてしまうのではないかと心配する程華奢な腕や脚、肩幅。






明石は童子切をうっとりした顔でそれらを眺めた後、手に持っていた花を前に差し出した。





「童子切はん、お久しぶりです。最近来れなくってすんまっせん。ここ数日前になぁ、厄介事がありまして来られへんかったんです。






それより、これ、童子切はんが好きな花でっしゃろ?確か…月下美人でしったっけ。


綺麗に咲いてたもんで、枯れへんように加工してもらったんです。


歌仙はんから聞いたんですけど、月下美人の花言葉には【艶やかな美人】とか、【儚い美】っていうのがあるらしいんですって。





……あんさんそっくりやな、この花と。



香りまで、似てるなんてなぁ。



………嗚呼、もう夕餉の時間です。すんまっせん、行きますね自分。




若しよければですけど、この花も貰ってくれへん?


綺麗でっしゃろ?碇草っていうんです。




ほな、また来ますんで。」






冷たい手で頬を撫ぜ、狂気を感じさせる瞳と明石は熱の籠った声を残し、去っていった。





童子切の顔の横には月下美人と碇草が静かに香りを発していた。



*******************************
イカリソウ【あなたを離さない】【あなたを捕まえる】

月下美人の他の花言葉【危険な快楽】




お星さまに色がついて左足の小指をぶつけた私はおかしくなんてない。(充分おかしい)
沢山のお気に入りや評価ありがとうございます。

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欝魏 - とても素敵な作品です。 (2020年4月24日 22時) (レス) id: 9689208d3b (このIDを非表示/違反報告)
アヤ(プロフ) - 影さん» はい、その曲をイメージして書きました。良いですよねボカロ。 (2018年10月6日 18時) (レス) id: 11fd4bd825 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - だれかのの心臓になれたならを思い出した!ボカロはやっぱいいね (2018年10月6日 14時) (レス) id: 026253e74c (このIDを非表示/違反報告)
アヤ(プロフ) - 匿名希望さん» あたちはあいちてゆ(ドヤァ) (2018年9月30日 11時) (レス) id: 11fd4bd825 (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望 - 好きです(唐突) (2018年9月30日 2時) (レス) id: 21ce6e7c67 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アヤ | 作成日時:2018年9月6日 18時

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